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新釈 遠野物語 (新潮文庫)

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

作家
井上ひさし
出版社
新潮社
発売日
1980-10-28
ISBN
9784101168074
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新釈 遠野物語 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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rico

作者の分身とも言える青年が、いわくありげな老人から聞かされる物語の数々。不思議で、ちょっとエロくて、不気味で・・・。「遠野物語」自体まともに読んだことはないけど、いくつかは既知の物語だった。人間が自然の中で暮らしていた頃は、こんな奇譚は珍しくなかったのだろう。隅々まで照らす人工的な光は闇を追い払ってしまった。でもそこかしこの暗がりにきっと、異界への入り口が隠れてるはず、なんだけど、住む人のなくなってしまった地では怪異を目撃する人間もいないわけで。時折出てくる震災で傷を負った地域の名前。何も言えない。

2021/03/30

ふう

「遠野物語」を読んでいないので比較できませんが、井上氏の文章の上手さと独特のユーモアで、ゾッとしたりクスッとしたりしながら読みました。昔、自然に囲まれ、自然と共に暮らしていた人々は、ふとした折に何かの気配を感じたり、人智の及ばない出来事に遭遇したりして、自然への畏怖を抱いていたのでしょう。現代に生きる人々が失った感覚もありそうです。語り継がれてきた民話には、そんな感覚を呼び起こすただならぬ雰囲気があります。読んでいるわたしも、最後に狐につままれてしまいました。『川上の家』河童の子どもの話が悲しく怖かった…

2014/05/20

kk

『遠野物語』へのオマージュってことでしょうか。某サイトの内容紹介に「腹の皮がよじれるほど奇天烈な話」なんて書いてあったのでユーモア小説だと思って読んでみたのですが、奇天烈なのは確かにそうですが、どっちかと言うと、不思議な話やちょっと怖い話などが中心のようです。少なくとも、kkの腹の皮はよじれませんでした。

2021/03/07

たか

柳田国男の名作『遠野物語』を井上ひさしがアレンジした現代版遠野物語。オリジナルの良さに加え、井上ひさし流のユーモアや切なさ、郷愁がとても魅力的。山中の岩穴に住む謎の老人の語りが、不思議な感覚で物語の世界へと誘う。B評価

2018/01/17

メタボン

☆☆☆☆☆ いやあこれは面白い。語り口のうまさ、ありえないけれども言い伝えに含まれるまことしやかさ、そしてどんでん返し。物語の面白さの原型がつまっている。ホラ話と言ってしまえばそれまでだけれども、柳田国男の遠野物語と同様、民間伝承の素晴らしいエッセンスを見事に取り出している。すべてが夢であり女房の乳房をつかんでいた「鍋の中」、せっかく50銭で買った話(予言)のとおりにしなかったことから大切な女房を失うはめになる「笛吹峠の話売り」、馬と娘の悲しい話「冷し馬」、ちょっとエロチックな「狐つきおよね」が良かった。

2016/12/28

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