自家製 文章読本 (新潮文庫)
自家製 文章読本 (新潮文庫) / 感想・レビュー
いちねんせい
作者の膨大な知識量にただただ驚くばかり。動詞一個では力が足りぬ、複合動詞やオノマトペの力を借りようとか、ははー!と思わず手をたたいて喜ぶ知識量の乏しい私。文豪の文章や広告文の分析もユーモアたっぷり。高校生の頃に読んでいれば!と思わずにはいられないが、何事も遅すぎることはないのだ!
2019/03/05
田氏
文章読本は丸谷→谷崎→三島と、あと吉行淳之介編のアンソロジーも読んだが、その中で本書は、自分が興味を引かれる論が多かった。美学の色の濃い三島読本や谷崎読本よりも、文体の根源的な部分について思索を切り込んでいる…というのは、本書がそれらへのアンチテーゼという側面を有しているから当然なのだけど。「良い文章とは澄んだ文章である」のような観念に対し、良い文章は読むものに関心をもたせる文章だ、と再定義することで見直しを迫る。ラーメンでいうと清澄な醤油スープだけやのうて味噌も豚骨もあるやん、みたいなところか。違うか。
2020/05/25
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
これまで「してはならない」と言われてきたことを、時には大家と呼ばれる人たちにもかみつきながら、豊富な用例を駆使して次々にひっくり返していく文字通りの『自家製文章読本』。すぐに活用できる技術が紹介されているわけではないが、指摘の一つひとつに学ばされることが多く参考になる。個々の問題とは別に、“言葉を通じて過去と未来につながるわれわれは、なんとかましな文章を綴ろうという努力によって歴史に参加するのだ”との言葉も印象的。真摯に日本語に向き合った力作ゆえの難解さもあるが、読んでよかったと思える一冊だった。
2011/08/17
風柳
谷崎潤一郎の文章読本は一読したことがあるので、この本でちょくちょく引用される時は面白かった はえ〜と思いながらも、あまり頭にはしっかり残らない様子。ただ、時折ふとこの本のエッセンスを想起できればそれで良いのだとも思う。
2022/04/21
あふもん
結構難しいことでも、何となく理解させてくれるというかわかりやすいとうか。何度も読んで少しずつ体と心に染み込ませたい本です。あと井上さんの日本語に対する「熱」みたいなのも感じれます。
2010/11/16
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