話し言葉の日本語 (新潮文庫 い 14-33)
話し言葉の日本語 (新潮文庫 い 14-33) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
居酒屋敬語のおかしさ。かっこいいことを言うときは標準語でしか言えないのも不思議。日本語の問題で、今まで話題にされたことの少ない、話し言葉について、とてもおもしろい対談(何と6年がかり!)を読ませてもらった。さすが演劇の世界に生きている人の感覚は鋭い。当たり前なのに、「戯曲のセリフはすべて一人称」などと、改めて言われると、目からウロコが落ちまくる。後半は演劇の話に絞られていくが、作品としては非常にいいものがあるのに、演劇に限らず文化、若者に対する無理解こそ、日本がまだ外国にかなわない部分だと感じた。
2014/08/11
りえこ
とても面白かった。日本語についてですが、演劇に関する事や戯曲についてもたくさん書かれていて、すごく読みごたえがありました。しかもわかりやすい。そして、言葉からみる日本とか、現在、過去みたいな話もあり、何度も読みたい本になりました。
2014/06/17
nbhd
良い本。言葉のプロフェッショナル2人による日本語論から演劇論まで。こういうのは5年ごとに読み直したい、そうすればそのときの自分と「言葉」の距離をつかめる気がする。たとえば▼井上ひさしの創作術その1)資料はしらみつぶしにあたり、その際「事実が明らかになっていない部分」を見つけるのがミソ⇒「作家はそこでウソをつく=創作する」▼その2)時代物を書く場合、当時の紙資料を2週間ほど集中的に読み込んで、時代の言語感覚をものにする。▼その3)芝居の場合、835番目の台詞が836番目の台詞を導くように書く、などなどなど。
2014/11/24
浅香山三郎
井上ひさしさんが亡くなつて8年である。私は昔は井上さんの戯曲をよく読んだのだけれども、少し演劇を見たり周辺の書物を読んだりする機会が最近はなかつたので、久しぶりにかういふ劇作家の対談も良いなあ、と思つた。平田オリザさんについては、戯曲等を読む機会がなかつたので、読んでみたいと感じた。対話式の本書のやうな本はさらつと読めてしまうが、互いに意見を出し合つたればこその興味深い展開があつて、劇作家がいかに生きた会話の中の日本語に敏感かといふことを感じさせられた。
2018/06/24
はやみず
本当は日本語について勉強したくて本書を手に取ったのですが、演劇論的な要素が強く、馴染みのない私にはついていけないところも多々ありました。けれど、お二人の言葉に対する思いは、日本語の素晴らしさを再確認するきっかけとなりました。日本語は今、元からあった言葉でさえ英語に置き換えられてしまうような状態です。これからさらに異国の言葉がそのまま入ってくる可能性は十分あります。その時にただ受け入れるのではなく、むしろ"もったいない"のように世界に通用するような日本語を育てていくつもりで、大切にしていきたいと思いました。
2016/11/14
感想・レビューをもっと見る