男のポケット (新潮文庫 ま 2-3)
男のポケット (新潮文庫 ま 2-3) / 感想・レビュー
kokada_jnet
「ごく少数の例外を別にすれば、探偵小説好きはSF好きを忌み嫌う。SF好きは探偵小説好きを軽蔑する」というのは、小気味いい断言ぶり。ただ、このコラムが連載された75年には、ほぼ事実だったろうけれど。その後の経緯は、本格ミステリ好きの人たちには、ハードボイルドや冒険小説など身内に敵がたくさんできたので、「探偵小説好きはSF好きを無視するようになった」というところ。
2020/05/11
朝日堂
“二宮尊徳といふ男が嫌ひである。さる逸話がある。尊徳先生を慕つて弟子入りしやうとした若者が、さんざん門前払ひをくつたあげく、何十回目かにやうやく面会することができ、それからまた懇願・哀願をくりかへした末、つひに入門を許される。そして門下となつた若者の仕事は夕食の料理番であつた。が尊徳は若者が運んできた膳を見て「手をお出しなさい」と言つた。そしてよく切れていないタクアンを手の上に乗せて「これを持つて、お帰りなさい」と言つて破門するのである。実に下等な精神で教育者などが偉さふに見せるために使ふ汚ひ手である。”
2013/06/26
佐島楓
「探偵小説好きはSFを忌み嫌う」という記述には異を唱えたい。私、嫌いじゃないし。
2012/12/30
ダイキ
「暑いときにはどうすればいいか。銷夏の方法として一番しやれてゐるのは、〔思ひかね妹がりゆけば冬の夜の川風さむみ千鳥なくなり〕といふ歌をくちずさむことである。この和歌を唱へれば夏のさかりにも冬の心地がする、と鴨長明が言つてゐた。何しろ長明さんと言へば『方丈記』の著者で、安あがりの贅沢にかけては日本一の人である。この銷夏法はぜひ一度、試してみるほうがいいでせう。一文も要らないのだから、やつてみない法はない。」〈納涼国風〉
2018/10/18
ヨーイチ
丸谷随筆との出逢い。記念すべき一冊。
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