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完本 日本語のために (新潮文庫)

完本 日本語のために (新潮文庫)

完本 日本語のために (新潮文庫)

作家
丸谷才一
出版社
新潮社
発売日
2011-02-28
ISBN
9784101169118
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完本 日本語のために (新潮文庫) / 感想・レビュー

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AICHAN

図書館本。痛烈な国語教科書批判が痛快。「教科書は規範である。そして国語教科書の文体は、一国民の文体意識の規範となる性格のものである。劣悪な文章で国語を学んだ国民は、文体についての感覚を失ふにちがいないし、そのことは必然的に精神の衰弱をもたらすだろう」「文化と文体とはもともとさういふ密接な関係にあるものなのだ。文体は思考の姿かたちだからである。それゆゑ国語教科書は名文を収めなければならず、決して駄文を含んではならない」。まったく同感。

2017/01/25

シタン

ここに述べられる国語教育批判は、国語教育に違和感を抱き続けていた自分のもやもやを晴らしてくれた。何よりも丸谷氏の文章がうまいため説得力がある。残念ながら、現代になっても丸谷氏の言うようには改善されていないようだ。しかし内容が深遠な日本語論・文学論に至ると、もっと国語を勉強していればよかったという後悔の念に駆られる。一体どうすればよかったのか。 吉川幸次郎の文学論とその批判が興味深い。「文学は言葉で作るものであって、文章を読んだとき頭に浮かぶのはその内容や情景ではなく、その言葉に付随した歴史や伝統なのだ。」

2020/04/05

魚京童!

変な日本語だなって思ったら、そういう人らしい。この中途半端な批判の仕方が好き。なんだろうね、この中途半端感。私と一緒だ。だから好きなのかもしれない。中途半端なんだよね。なんか。言ってることは間違ってないのかもしれないし、誤っているのかもしれないけど、なんか中途半端。だから面白い。多分内容は面白いとか言っちゃいけないんだけど、『ふっ』て笑いたくなる内容。何が面白いんだろうね。だからバカにするなって怒られるんだと思う。他の人とは感性が違うのだ。そこだけは多様性の保護が認められないのだ。戯るなって言われるのだ。

2020/02/28

Yuuki.

いただいた本。くれた方から歴史的仮名遣いで書かれているので読みにくいかも、と言われたけれど、そこは意外とすぐに慣れてスラスラ読めた。しかし、最後まで慣れなかったのは著者の言葉選び。物事を批判したり反対意見を述べたりする事は悪い事だとは思わないし、同意できる意見も多々あった。しかし、著者の文章が相手を馬鹿にしているような、あまりにも上から目線過ぎる文章に感じられて、あまり気分が良くなかった。単純に、この著書の文章は合わない。意見は部分的に合うけれども。

2020/09/21

navyblue

発行年昭和45年、この時代の国語教育批判なら今とは違うのかと思いきや、違和感なく読み進めることができた。良い詩を読ませることは、大賛成だ。「日本語がこれほど力強く、鋭く、匂やかで、豊かで、一言にして美しい言語であることを意識的にしろ、無意識的にしろ感知させる」ことができるという。また、文体とは思考の姿形であるから、国語教科書には名文を収めよ、という主張にはなるほどと思った。日本語への愛がページから溢れるような素晴らしいエッセイ。旧仮名遣いで書いてあるが、読みにくいわけではない。

2017/05/09

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