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持ち重りする薔薇の花 (新潮文庫 ま 2-13)

持ち重りする薔薇の花 (新潮文庫 ま 2-13)

持ち重りする薔薇の花 (新潮文庫 ま 2-13)

作家
丸谷才一
出版社
新潮社
発売日
2015-03-28
ISBN
9784101169132
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持ち重りする薔薇の花 (新潮文庫 ま 2-13) / 感想・レビュー

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KAZOO

丸谷さんの最後の長編小説です。様々な人生の縮図があったりして楽しめます。弦楽四重奏団というのは本当に難しいのですかね。この本の中でも生徒に言わせているように、コンサートが終わったら皆別々の行動をとったりするのでしょうか?そのようなことを頭に置かれて丸谷さんはこのような小説を書かれたのでしょうね。私は数年前に見た映画で、アカデミー賞俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンが出ていた「25年目の弦楽四重奏」を思い出していました。

2015/06/02

YO)))

著者最後の長編。クヮルテット(弦楽四重奏団)の人間模様を通して社会と人間との関わりを描き出す、という主題の部分はかなり面白いのだが、語り手である財界の大物の自分語りがどうにも受け付けない(※個人の感想です)。楽器の駒に薔薇の柄をあしらった表紙は洒落ていて素敵。

2015/07/14

わたなべよしお

 単行本の時から気になっていたが、文庫化で購入。ちょっと説明しにくいなぁ。さほど面白くもないし、作中人物が言うほど、エロティックでもないけど、ついつい読んでしまう。丸谷さんの筆力なのだろうか。あるいは自分が70歳くらいになってからだと、もっと味わえるか?

2015/04/07

sakwai

後半に出てくる戦前の財界の大物が語ったという教訓が身にしみる。曰く「会社員は良い職業だが、最大の難点はいやな同僚がいること。だから仕事は面白いから趣味としてやっており、給料はすべて同僚と顔を合わせる慰謝料として払われていると考えればよい」という、かなりアクロバティックな論理ではあるが、何となく腑に落ちる。著者でしかあり得ない語り口の豊穣なゴシップ小説。最晩年にこういう小説を書くという、どこかしら俗なところが魅力なのだろうと思う。もっと読みたかった。

2015/07/01

でんすけ

こまごました人間関係のめんどくささと、そこから生まれる芸術の素晴らしさ。描写の行き届いたゴシップを読んで、当事者の四人を知ることで、われわれの彼らへの愛着は深まる。読み始めの時と比べると、われわれの空想の中で演奏されるカルテットはぐっと深みを増して美しく響く。芸術ってそんなものなんだろう。どんな人間がどんな経験を経て一つの芸術を作り上げているか。それは受け手にとって、意外と重要なのです。作家主義っぽいが、それが人間的な感情だと思う。

2015/12/13

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