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家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

作家
筒井康隆
出版社
新潮社
発売日
1975-03-03
ISBN
9784101171012
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家族八景 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

あわわわわ、とんでもない本を読んでしまいました!「人間ほど恐ろしいものはない」とどこかで読みましたがこれを当に顕在化したのが本書。七瀬のサイキックを使って「人間の暗部」をこれでもかと云うくらい読者に見せつけます。読むにはある種の覚悟が必要と思われます。しかし、人間とはこういった「人間の暗部」は必ず存在するわけですので、意を決して「人間の暗部」に対面し貴重な疑似体験をすることは今後の人生に有用だと思います。

2016/12/03

青乃108号

人の心が読める超能力を持った18歳の七瀬が家政婦として働くうち、次第に家族の問題を炙り出していくという物語。高校生の頃、もう数十年前になるが筒井康隆の本ばかり読んでいて当然この本も読んでいるのだが、ほとんど記憶に残っていなかった。共学の学校に通っていながら当時物凄く奥手だった俺はクラスの女子生徒とまともに話した事すらない。そんな俺はこの本で男どもが肉欲の権化のように描かれている事をどう思っただろう。今まで生きて来て思う、残念ながら男ってそんな生き物なんだな。俺も例外ではなく。

2022/08/31

再び読書

透明人間しかり異能は人をしあわせにするとは限らない

ykmmr (^_^)

テレパシー能力を持つ、家政婦の七瀬。その図々しさと不思議な力を持つ姿が、TVドラマで話題になった二大家政婦にそっくり。テレパシーで先なども読めるからこそ、調子に乗って無鉄砲に動けるし、良い事悪い事、夫妻・親・子供…それぞれの立場、表裏の心情が読めてしまう。その感情の対比や動きなども、振り回されて、鬱になりつつも、絶妙に読まされてしまい面白い。人の生命にも入り込む力もあり、それが何というか…シリアスでサスペンス。

2023/02/09

🐾Yoko Omoto🐾

テレパス能力を持つ七瀬を主人公に、彼女が遭遇した八つの家族の赤裸々な深層心理を抉るストーリー。テレパスであるが故の苦悩も綴られつつ、小賢しい逞しさと少女特有の茶目っ気を併せ持ち相手のプロパティに合わせた立ち回りを身に付けている七瀬は非常に魅力的である。そして私はこの物語に人間の醜悪な本音というよりも、“理性”という足枷を無くした意識野においてここまで本能のままに動物的である人々に、逆に清々しささえ感じたほどだった。人を殺すといった狂気や打算的心情とは異なり、そこにあるのはただただ剥き出しの欲望なのだ。→

2015/04/12

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