おれの血は他人の血 (新潮文庫 つ 4-8)
おれの血は他人の血 (新潮文庫 つ 4-8) / 感想・レビュー
優希
筒井流ハードボイルド。とにかく面白いの一言に尽きます。エグさやグロさはありますが、コテコテのB級感を感じました。男の血が変わるというあり得なさもヒーローの変身だと思えば納得がいきます。荒唐無稽でやり過ぎ感は否めませんが、この感じが筒井康隆の作り出すエンターテイメントであると思います。現実離れした血と抗争の凄さは最高のスラップスティックでした。血と暴力の話でも筒井康隆の料理の腕さえあれば想像を超えた面白さの話へと作り上げてしまうのが凄いなと。
2015/10/10
さっとる◎
筒井康隆初期の長編。読みにくいけどすごい、進まないけど面白い、ほうではなく、非常に読みやすく分かりやすくエンタテイメントな1冊(笑)。中盤以降あれよあれよと問答無用に死体が増える。無駄に引き延ばしたり心理描写を長々と入れず、スピード感満載で一気に突き進む。すごい本読んだな!って感じはないけども、血が飛び散りすぎだけども、無駄のない文章がエンタテインしていてぐいぐい読ませる。「エスクレメントオ!」が脳内反響(笑)。
2016/11/01
ざるこ
昭和49年作品。小心者のサラリーマン絹川は怒ると意識を失い謎の言葉「エスクレメントオォォ」と叫びながら相手を半殺しにしてしまう。2つのヤクザ組織と街の有力者たちが絡んで抗争へと発展するのだけど、否が応にもドラマ「トミーとマツ」を思い出してしまう(古っ!)夜の店の名前「マーチンズ」「シャム猫」なんてレトロでいい。建設機械で戦うほどの抗争は人はぺちゃんこになり死体の山。結構グロい。長いこと機動隊も何もこない。ありえないけど、あぁおもしろい。この突き抜けたメチャクチャ感。人格の秘密なんてどうでもよくなります。
2019/06/24
GaGa
再読。今読んでも結構面白い。根底はハメット「赤い収穫」。映画化されたそうだがそれは見たことがない。今映像化してもそれなりに面白そうだが、復刊してもらうことの方が先なのだろう。学生時代はよく口にしたものだ「えくすれめんと~!!!」
2011/10/30
とも
★★★★大昔の再読。昔筒井ワールドにハマった元凶がこの作品。目を引く表紙と題名、内容は遊びがない畳み込むような、エグくグロイハードボイルド。これと比べれば、北野武の映画がなど小粒と思える様で、ほぼ映像化は不可能な作品。色褪せてない一冊。
2015/09/07
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