ジーザス・クライスト・トリックスター: 筒井康隆劇場 (新潮文庫 つ 4-20)
ジーザス・クライスト・トリックスター: 筒井康隆劇場 (新潮文庫 つ 4-20) / 感想・レビュー
よこ見
ドタバタギャグ多めの戯曲集。「人間狩り」は獲物がいないから一緒に山に入った仲間を狩ろうという荒唐無稽な発想が伝言ゲームを通じて現実味を帯びていく過程が恐ろしく、笑いながらもゾクリとさせられる。「ウィークエンド・シャッフル」はすれ違いから事態が思わぬ方向に転がっていくところがコントのようで面白い。「ジス・イズ・ジャパン」は海外からの旅行客に無茶苦茶な日本案内をする話で、(あくまで筒井作品としては)平和な内容に気兼ねなく笑うことができた。表題作も筆者が度々インタビューで言及していたのでこれを機に読めてよかった
2020/08/27
Chihi
馬鹿らしさもあり、滑稽さもあり、どれも面白いです。実際に舞台で見たら、声に出して笑えそう。私は「三月ウサギ」が一番印象に残りました。
2015/06/04
ゑのとK壱
不謹慎極まりないほどに面白い。人間のクズさが引き立てられ、実に滑稽。それでいて、どことなく本質を突いている。演劇舞台で見てみたい。
2012/07/02
akiu
脚本集。どれも非常に面白くて素晴らしい出来。不謹慎さ丸出しが爆笑を誘う表題作。ドロドロとした疑心暗鬼の渦に巻き込まれて背筋が寒くなる「人間狩り」。狂言回しが狂人なので話が無茶苦茶になる「三月ウサギ」が特に良かった。実際に演劇化されたものが観てみたいです。
2010/01/15
あた
ジーザスクライストトリックスターは、ドタバタで途中までまあ、無茶な、こんなことまで、笑い、驚いたりするのだが、 (どの本も)最後の最後で、急に本質を突かれ、涙が出てくることもあります。特に終幕のマグダラのマリヤの独白では 仮に今まで一緒にJCに対しておいおいと突っ込みを入れる、批判的、笑い(苦笑い)の対象にしていた自分が急に距離や立場が変わる雰囲気を持ちます。 一つ一つは短編集なので、非常に読みやすく筒井康隆ワールドを楽しめます。カバーの山藤章二も筒井康隆の本にあっていて素敵です。
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