KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

傾いた世界 自選ドタバタ傑作集2 (新潮文庫)

傾いた世界 自選ドタバタ傑作集2 (新潮文庫)

傾いた世界 自選ドタバタ傑作集2 (新潮文庫)

作家
筒井康隆
出版社
新潮社
発売日
2002-10-30
ISBN
9784101171449
amazonで購入する

傾いた世界 自選ドタバタ傑作集2 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

徒花

図書館。前作ほどの刺激はなかったかな? 表題作の『傾いた世界』は意識しているのか、なんだか文章がやたら読みにくい。『関節話法』は笑った。とにかく細かいところの言葉遣いがウィットに富んでいて、笑いを醸し出すのは見事としか言いようがない。しかもそれが不自然ではなくて、だからこそ「筒井ワールド」と呼ぶべき世界観が醸成されている。解説にもあるが、書きようによってはホラー小説になりかねない作品もある。もうちょっと読んでみる。

2016/09/03

ばりぼー

最近は筒井先生の初期短編集などは入手しにくくなり、図書館に寄贈などするんではなかったと後悔してます。音楽CDのベスト盤も、満遍なく長所を拾おうとして印象が薄れる傾向があるので、やはりバンドの瞬間最大風速を刻んだ1枚、ツェッペリンなら「Ⅳ」、パープルなら「マシン・ヘッド」などの方が、並の編集ベストよりインパクト大です。筒井先生の短編集なら、「日本列島七曲り」か「メタモルフォセス群島」か「宇宙衛生博覧会」かって、いきなり矛盾してますね。「関節話法」と「毟りあい」が目当てでしたが、初読時の衝撃が蘇りました。

2016/07/03

ケンイチミズバ

過ちを認めない行政や役人をデフォルメして痛烈に批判しています。建築物が施工不良で傾いても愚の音も出ない証拠が出るまで決してミスを認めない、役人への賄賂を捻出するために強度を落とした結果、都市全体が傾いてゆきます。それを指摘した大学教授は変人扱いでうやむやに。傾きを体感していても最後まで認めず女性市長はタイタニックよろしく水没する都市と命を共にします。当て字の名前もそれ自体が風刺にもなっていて筒井先生らしい作品ですが文学性はほぼないです。これを面白がって読むのは、概ね昭和のギャグ世代かな。

2016/06/03

なる

読書会で筒井康隆の本を、ということで紹介されて興味を持った本。間接話法ではなく関節話法なのが重要。異星人との交易が行われている世界が舞台となっている。異星人の星に常駐することになった主人公が異星人の言語である関節話法、つまり骨の関節を鳴らすことでコミュニケーションを行うドタバタに巻き込まれて行くという、筒井康隆らしい奇想天外な話。他言語の難しさをわかりやすいテイストで皮肉った話にも取れるし、何よりその発想に舌を巻く。犬人間やら猫人間やらという設定がしれっと盛り込まれているのに敢えて触れないのも面白い。

2022/10/02

ざるこ

7篇。まず既読の「関節話法」関節を鳴らして会話する異星人との接触。疲れる!こんなに身体を酷使しないと会話できないなんて。笑い過ぎて腹が痛い。ラスト一行が最高。「最悪の接触」の全く噛み合わないマグ・マグ人のイカレ具合もお気に入り。異星人なんて実際分かり合えないだろうよ。「傾いた世界」に於いては登場人物の名前聞くだけでもう満足。「毟りあい」の狂人たちのえげつなさはもうしょうがない。これが筒井康隆だ。今回も筒井菌が私の頭の中にどどどどどと侵入してきて、がががががと脳を刺激、いひひひひと去っていった。また会おう。

2022/11/12

感想・レビューをもっと見る