夢の検閲官・魚籃観音記 (新潮文庫)
夢の検閲官・魚籃観音記 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ざるこ
短編10。「夢の検閲官」子供を亡くした母親に夢の中では忘れさせたいと奮闘する検閲官たち。なんだかいい話で本当に筒井作品?って感じだったけど以降は安定の筒井ワールド。人間なのに馬と認識されている女を飼うことになった男の困惑。読点を使わない「春」の読みにくさの中にちょいちょい入る作家筒井の本音(?)あぁおもしろい。しかし「魚籃観音記」はイカン!ばちがあたる!観音様と悟空の禁断の×××。読んでて後ろめたいのに込み上げる可笑しさ。申し訳ありません、私が書いたんじゃありません。私は読んでるだけです!南無南無南無…。
2019/12/27
いちろく
過去に発表されていた10の短編をまとめた1冊。時をかける少女をセルフパロディにして台無しにしている点も著者らしい。ただ、キレイに〆られた作品に対して、こんなの筒井さんの作品らしくない!と感じた辺り、他の前衛的な作品に毒され過ぎた、と反省した部分もある。見方を変えたら、それぐらいバラエティに富んた本だったとも。
2018/06/16
ねりわさび
虚構と現実が交錯する実験作や白日夢のような作品をまとめた短編集。本人には女性の姿に見える馬を預かる男の話が面白い。近年の短編が比較的多いので筒井康隆から少し離れていた読者には最近の動向がわかって良いと思います。
2020/05/26
ヘラジカ
冒頭の『夢の検閲官』がとっても良い話で和んでたら以降は怒涛のザ・筒井康隆。安心したのか悲しんだのか分からないけど、全部読んだことない作品だったので取り敢えずは楽しめた。悪趣味すぎて入門としては絶対にオススメしたくないけど。さすがに『シナリオ・時をかける少女』はアニメから入ろうとしてる善良な少年少女には読ませたくない。というかそれなりに筒井作品読み慣れてない人は手に取るべきではない本。『魚藍観音記』とかただの文章力の高い猥褻小説だし。いやーもう総合的には色んな意味でヒドイ。でも楽しかった。
2018/04/30
空猫
既出作品のアンソロジー。ほぼマニアックで過激な作品。夢か現かこれも家族愛か「家族場面」。今じゃセクハラだと大炎上かと「馬」。あの名作映画のパロディ「12人の浮かれる男」日本でも陪審員が現実になったものなぁ。さらに自身の作品をパロディで茶化すとは…しかもお下劣「シナリオ・時をかける少女」。そして「孫悟空」まで?「魚籃観音記」。筒井節全開「公衆排尿協会」「春」…あぁゲップ出そう(失礼\(_ _))
2018/05/18
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