世界はゴ冗談 (新潮文庫)
世界はゴ冗談 (新潮文庫) / 感想・レビュー
Sam
2010年刊行の短編集。解説によれば、同時期の作品を集めた「繁栄の昭和」を「ノスタルジー編」とすればこちらは「ナンセンス/シュール編」とも呼ぶべきもの。いくつかの作品に見られる「実験的意図」にはあまり興味はないが、冒頭の「痴呆(暴走)老人小説」はじめ、筒井康隆らしい、相変わらず冴えた作品もあって笑わせてもらった。笑ってる場合じゃないかもしれないけど。
2021/06/08
KEI
今回は正直読みにくかった。ところどころ狂言回しで作者がでてくるパターンにちょっと飽きたな。三字熟語、メタパラはななめ読み。ウクライナ幻想は今読むと考えるところあり。
2024/02/05
10$の恋
いつものことなれど、筒井さんの作品は読み手が責任をとることが肝要。読むか読まんか…それは貴方しだい(笑)。まずね、1ページ目の数行を読んで啞然とするか身構えるか、はたまた苛立ちや戸惑いを覚える人は読むのん止めときなはれ。この本ほとんどこんな感じやから。私と言えば「ひゃっほ〜!いきなり筒井節やんか〜♪行ったらんかい」と小躍りしながらずんずん楽しんだけどね♬何事にも否定や批判をかますことが、如何にも賢そ〜に賛同され罷り通る昨今。その点、筒井大先生は怖さ知らずで清々しい。読むんやったら文句言わんとってや。
2023/06/24
遊星
個人的に筒井康隆熱が云十年ぶりに再来。未読作品に手をつけ始めようとしたところ本書文庫化の報を聞き早速読んでみた。メタフィクションというのかポリフィクションというのか、佐々木敦氏の解説にあるとおり、実験的な作品がずらっと並ぶ。壮観。登場人物たちが登場人物であることを意識するなんてのはもはやお家芸中のお家芸。3文字熟語だけで小説として成立させてしまうなんてのになるともう筒井康隆にしかできない芸当。嘆息。と書きつつも最後に収録されたウクライナに関する付記にちょっとせつなくさせられた 笑。
2021/11/03
本木英朗
日本の現代小説家のひとりである、筒井康隆の短編集のひとつである。〈まったく信頼できない語り手〉による衝撃の超認知症小説「ペニスに命中」ほか9編を収録。ところどころ、俺的には分からない文章もあったけれど、総じていえば満足であった。折を見てまた読み返そうっと!
2024/09/08
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