モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56)
モナドの領域 (新潮文庫 つ 4-56) / 感想・レビュー
HANA
河原で発見されたバラバラ遺体から、ベーカリーで作られたそれそっくりの精巧な腕。一見ミステリかと思いきや途中から思いもよらぬ方向に進むのはやはり著者だなあ。中盤法廷のシーンから形而上学的な会話が中心となるのだけど、普通に考えれば退屈な話題のはずなのに、これほど引き込まれ一気に読まされるのは偏に著者の力量故か。以前読んだハイデガーもそうだけど、哲学とか宗教の難解な部分を嚙み砕いて教えてくれるの本当にありがたいし面白い。それにしても登場するこの「神」、色々と俗な部分もあって魅力的。あの一文と言い著者の投影かな。
2023/03/16
優希
面白かったです。筒井サンならではの世界観が広がっていました。どんでん返しはないものの、叡智の限りを詰め込んでいるような気がします。凡庸な書き出しからとんでもない内容へと導かれるのはもうお約束だと言えますね。筒井サンならではの歴史的傑作なのは間違いありません。
2023/01/04
ちょん
もービックリするくらい意味わからない(笑)裁判の途中くらいから文字が読めない、言葉として認識できない(笑)筒井さん、一体何考えてたらこんなお話が出来上がるんですか?パラレルワールドやタイムパラドックス系は好き、でもこれは難しい( ˘•ω•˘ )‼️
2023/05/06
アドソ
こういうのを神ファンサというのだろう。作者自身、これが(おそらく)最後の長編だと謳っている。作者自身の作品を含め、多くのSF的な何かのパスティーシュでありながら、作者十八番のドタバタ感はほどよく抑えられ、「これまたいつものように最後は唐突に突き放されるのでは」という心配をよそに、きっちりとすべてを回収して大団円。作者がGODなのか、GODが作者に書かせている体なのか、メタフィクションここに極まれりといった作品。
2023/11/28
流石全次郎
40年くらい前。自分が高校生で多感な年頃に相当程度の影響を得た筒井康隆さんの小説。当時のドタバタ小説と謳われた作風が令和に蘇った感覚。著者も高齢、私も還暦前。成熟した作品と読者。高校生当時の感性を蘇らせて頂いた小説。抽象的な感想で申し訳ございません、GOD。
2023/02/09
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