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新源氏物語(中) (新潮文庫)

新源氏物語(中) (新潮文庫)

新源氏物語(中) (新潮文庫)

作家
田辺聖子
出版社
新潮社
発売日
1984-05-01
ISBN
9784101175157
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新源氏物語(中) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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masa@レビューお休み中

味わうようにゆっくりと、終わらないようにゆっくりと一章ずつ堪能しているような気がします。中巻では、明石での流浪の生活を終えて、光源氏が都へ戻ってきます。光源氏が都に帰ってきたことで、それまで浮き沈んでいた世に華やぎが戻ります。そして、源氏は東の院を新築します。それはそれは大きな邸宅で六条院と呼ばれる院には、源氏が目をかけた女人たちを呼び住まわすのです。花散里、明石の君、末摘花、空蝉、紫の上…。数々のうつくしい女人たちが住まう竜宮城のような華やかな六条院がそこにはあるのです。

2014/08/17

ykmmr (^_^)

中巻。あいかわらず…やらかしていますね。健気に待っている末摘花の事は忘れ、当時、一番愛している事だけは間違いない紫の上に、キザな言葉で重石を乗せながらも、恋愛脳と下半身は緩いのよ。あーあ。でも、やっぱり、自分の見込んだ女の子はしっかりと面倒をみているのよ。太政大臣にもなったし、ますます精力アップなんて、そろそろ綺麗事は言えなくなってくるわね。下巻へ続く。それにしても、文章が美しくて読みやすいわ。憎らしい光源氏を麗しく憎めない存在に、田辺文章が仕上げてくれちゃうからよ。

2021/10/28

優希

3年間明石で過ごしたことで、光源氏は政治の世界へと足を踏み入れることになります。遊蕩児から国家の柱へと変貌したからでしょうね。権力を拡大させるべく動く一方、愛することの重みと苦しみも感じるようになったようです。恋の儚さに怯えつつ、恋愛の道を歩むのは変わらないのかもしれません。

2019/01/16

kagetrasama-aoi(葵・橘)

「新源氏物語」中巻。「蓬生」から「真木柱」の巻まで。紫の上の様子を、春のあけぼのの霞の間から、華やかな樺桜が咲き乱れている…と。玉鬘を、八重山吹の咲き乱れたのに、夕映えが露も花やかにさした…と現代文訳。なんて美しい形容、感動します。そしてあの近江の君の譚を大阪弁で軽妙に語ってます。平安時代の読者もきっとこのような可笑し味を感じたんではないでしょうか。玉鬘の処遇については、光源氏が政治的思惑で髭黒の大将にゆるしたことが良く理解出来る展開で、源氏物語をより楽しめる物語になっていると感じました。

2021/10/08

aika

多彩な女性たちがいきいきとしていて、特に関西弁を話す近江の君の描写は、田辺さんのカラーが最も出ていて鮮やかでした。冒頭、蔑まれていた貧しい末摘花が再び源氏の情を得て大逆転する場面は胸がすかっとします。贈り物をしては源氏に呆れられる不器用な彼女を愛してしまいます。壮年になった源氏は政治の勢力図を思いのままにする実際家でありながらも、愛しい夕顔の忘れ形見である玉鬘が気の毒になるほどまでに恋してしまうシーンはもうハラハラでした。息子・夕霧に愛が伝わらず、すれ違ってしまう父としての源氏の顔が切なく感じられました。

2020/04/12

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