田辺聖子の古典まんだら(下) (新潮文庫)
田辺聖子の古典まんだら(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー
Mijas
「食わず嫌いだったものでも、なかには美味しいと思う人も出てきます。そういう先達が一人いると、その嗜好は十人に広がるかもしれません。」田辺さんとともに、古典文学の美味しいところを少しずつ味見していく楽しさ。時こそ異なれ、人間の持つ感情は同じなのだと感じる。平安貴族の時代から武士の時代へ、さらには江戸時代まで、色々な時代にタイムスリップするかのよう。それにしても日本文学は多様で奥深い。印象的だったのは芭蕉と蕪村の比較。「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」(芭蕉)「しら梅に明る夜ばかりとなりにけり」(蕪村)
2016/05/19
けやき
田辺聖子さんによる日本の古典のブックガイド。下巻。上巻は古代のものや王朝文学だったが、それ以降の中世や江戸の文学について。どれも面白く読みました。
2023/10/17
優希
古典は古いものではないと改めて思いました。敷居が高いように感じる人も多いことでしょう。でも、古典には日本人の心の礎があるのです。
2023/11/05
金吾
上巻に引き続き一気に読みました。平家物語や徒然草のように好きな話も良いですが、あまり読んだことの無い川柳や狂歌が良かったです。
2023/07/24
❁Lei❁
下巻は『平家物語』から江戸期の文学まで。『宇治拾遺物語』の平中の話がとても面白かったです。在原業平に並ぶイケメンの平中ですが、どうしてもなびいてくれない女性に出会います。この恋をすっぱり諦めるため、その女性の排泄物を見ようと便器を強奪するのですが……。オチは自分の目で確かめてみてください。学校の授業では『伊勢物語』や『源氏物語』など、お行儀のよい雅な文学ばかり取り上げられますが、実はそれだけではない古典文学。奥が深いやら浅いやら。当時の人も下ネタを面白く思っていたところに親近感が湧きます。
2024/03/28
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