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リラ冷えの街 (新潮文庫)

リラ冷えの街 (新潮文庫)

リラ冷えの街 (新潮文庫)

作家
渡辺淳一
出版社
新潮社
発売日
1978-08-29
ISBN
9784101176031
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リラ冷えの街 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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あつひめ

ちょうどライラックの花が咲き終る。許されないという足枷があると余計に夢中になってしまうのは人間の心理なのだろう。二人の出会いはちょっと無理やりだなぁと思わないでもない。ただ、それから始まる二人の恋はまるで若者のように不器用な恋そのもののような気もした。出口も行き先も塞がれた二人。どこかで終止符を打たないとそのままずっと暗闇に飲み込まれてしまう。男よりも女の方が潔い・・・ように見えるが、それは違う。腹を括っていつまでも想い出を胸に生きる覚悟ができているのだ。男にはできない覚悟をもって選んだ道なのだと思う。

2014/06/10

アッキ@道央民

渡辺淳一さんの作品初読み。どうしても濡れ場の映画のイメージが先行してあまり手にしてみようとは思わなかったけどなかなか味わい深い作品だと思う。舞台は昭和中頃の札幌など・・・。支笏湖も登場するのでそんな当時の北海道を思い描きながら読むのも良いかも。学生時代に人工授精に協力した事が元で一人の女性佐衣子に恋してしまった北大植物園職員の有津。妻子ある身ながら許されね報われぬ愛に何度か逢瀬を重ねながらのめりこんでいく。まぁ、男性目線から見てもこの有津って勝手な男だとは思う。リラ冷えって季語がこの作品が切っ掛けとは。

2018/06/04

hit4papa

札幌舞台にした大人の恋愛小説です。学生の頃に人工授精のためのドナーとなった男性が、数年後、提供を受けた女性と偶然に出会うところから物語は始まります。人工授精が見知らぬ男女を結びつけるのですが、人工授精そのものはきっかけにすぎません。いわゆる不倫もので、著者の、男性、そして特に女性の感性の描写の細やかさはさすがです。ただ、男性の性的な身勝手さにはどうにも辟易してしまいました。その分、女性の自立をしようとする気持ちが際立つんでしょう。リラ冷えという象徴的な言葉であらわされる札幌の街並みの描写が良いですね。

2019/03/05

美雀(みすず)

ネットを通して「個人精子バンク」というのが問題になっているのを聞いて、思い出した作品。3人の男子大学生の交ぜた精子を子供のいない夫婦に提供する事。決して身元は明かさないのが条件なのに破ってしまった。その事から始まった不倫愛。この主人公が好きになれなかった。気持ちは分かるけどなんか…ね。

2014/04/30

momogaga

読メ開始以前の既読本。舞台となった北の街の描写に惹かれた。人間模様は、以前流行った昼メロのよう(わたしにとっては褒め言葉です)。

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