スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫) / 感想・レビュー
❁かな❁
今作もめちゃくちゃ舞城ワールド‼︎舞城さんの作品を読むのは8作目。3編入りでそれぞれ深い。家族愛、友情、愛情など描かれる。暴力は伝染する。ダークでバイオレンスでヘビーだけど、いつも思うけどすごく愛を感じる。まっすぐな想いが伝わってくる。3編とも良かったけど特に書き下ろし問題作「ソマリア〜」がめっちゃいい!じーんとして涙。舞城さんの作品って誰にでもオススメできる作品ではないけど良さ伝えるの難しいので読んで感じてもらいたい。どれもパワフルで勢いがあり中毒性があり、病み付きになる!今作も良かったぁ♪
2021/05/03
gonta19
2010/12/30 Amazonより届く。2016/5/13〜5/16約1年ぶりの舞城作品。「スクールアタック・シンドローム」、「我が家のトトロ」、「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」の3作を収録。と言っても、前の2作は『みんな元気』に収録されていたらしい。(読んだはずなのにあまり記憶にない)どの作品も舞城さんらしいぶっ飛びぶりだが、 書き下ろしの「ソマリア〜」が一番。一度ご本人と話をしてみたいなぁ。一体どんな人なんだろうか。
2016/05/16
とら
どこからそんな発想が生まれるのか、という話ばかりを集めた短編集。舞城さんの頭の中を覗いてみたい。絶対に何か普通の人間とは違う構造をしていると思うwこの本、全編を通して、登場するキャラの感情に移入することが出来ない。それほど異端な人ばかりなのだけれど、でも、そんな中でも移入出来てしまう時がある。納得してしまう。悔しいけれど、もう自分はこの世界観の虜になってしまっている。話があっちこっちに飛び回り、おかしな擬音がして、言動も異常、文体も特徴的、でも、面白い!何故か周期的に読みたくなる。全部読み切りたくない!
2012/04/06
yoshida
短編三編で構成される短編集。「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」が本作品の白眉。暴力や混沌が展開されるのは舞城王太郎作品らしい。主人公の英典は高校生。恋人の智春は同級生の杣里亜を蔑視する。智春が杣里亜の首をどうする場面は、質感がある程に印象的。警察が来ない理由は舞城作品の混沌さだろう。杣里亜と友達になる智春と英典。杣里亜を長年苛む淳一と対峙する。最終的に友情を強調せずビターな最後になるのが良い。強力な悪にたじろぐ英典の姿はリアル。グロい表現もかなりあるので読者は選ぶだろう。だが、中毒的な魅力がある。
2024/05/19
masa
著者の文章には病み付きになるフロウがある。文字ではなく畳み掛ける音を読まされる感覚。まさに小説のフリースタイル。哲学的なビートを覆う目眩ましなディスの連続は、こちらが行間にしがみついていなければあらぬ方向へ着地させられてしまいそうで戸惑うのに、一気読みを途中下車なんて野暮はさせない言葉の圧。激しいライブに身を任せるような心地よさ。『我が家のトトロ』は夫婦と娘と友人、まるで春樹的な構造で希望の生む毒と儚さと滑稽さをシュールに聴かせてくれる。考えるより感じてから訪れる余韻に、きっともう一度再生したくなる物語。
2017/09/02
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