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淵の王 (新潮文庫)

淵の王 (新潮文庫)

淵の王 (新潮文庫)

作家
舞城王太郎
出版社
新潮社
発売日
2017-11-29
ISBN
9784101186382
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淵の王 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

こわい夢をみていた。夢だったらよかったのに。だって私は足がすくんで戦えない。光の道を歩めない。だって足がないもの。こわいこわいこわいあああ愛してる愛してた愛してる?生きてる?私生きてる?あはっ。死んでから愛を誓っても意味がないから、生きている私を救って。そう思ってました。過去形。だって他力本願。グルニエこここわいよ何でそんなのがあるの。ぜんぶ夢だったらよかよかよかったのに。これは愛の物語です、なんてだれか言うから、あはは。信じちゃったのです。

2020/01/05

yoshida

舞城王太郎さんの新しい地平。中編3作からなる作品集。それぞれの作品がリンク。主人公3人を見守る何者かの視点で物語は進む。主人公達を襲う変異。始めは日常の違和感。しかし変異は狂気を帯び怪異となる。主人公達はそれぞれ怪異に立ち向かう。舞城さんの作品なので、怪異は織り込み済み。人物の細やかな感情に質感があり、ホラーだけでは括れない作品と思う。堀江果歩の真っ直ぐさが好き。それ故に堀江の最期が哀しい。グルニエ、プリン、カブ、そして穴と傷の男。繋がり表れる異形。中村悟道のラストがあるから、暗い中でも光明がある。力作。

2020/12/20

hit4papa

舞城流の怪談話し三作品が収録された短編集です。どの作品も、冗長ともいえる至ってフツーの会話が延々と続き、いつの間にやら不条理な怪異の世界へ誘われます。これまた舞城王太郎初心者にはキツめの作品集ですね。第三者が見ている体で物語が進みます。なので、淵の王ってのはつまり・・・え~と・・・。「中村梧堂」(作品名は人名)は、グロテスクで、時空を超えた実に著者らしい仕上がりです。残酷さを孕んだラストで、主人公がハッピーになったと嘯くあたりは、混乱で終わってしまうか否か。舞城王太郎ファン度を試される作品です。

2020/03/07

フユコ

ホラー小説で青春小説で恋愛小説だった。 こういうテイストのホラーって読んだ事なかったからなんか不思議な感じ。一緒に生きて眺めてくれている視点が優しくて暖かかった。変な出来事があっても関わっちゃいけないなぁ、電話のお礼の言葉とか、自分もぷわっと言っちゃいそうだから気をつけます。

2020/01/26

HANA

中編三作を収録したホラー。どの作品も主人公を見つめる第三者が語るという体であるが、それに馴染めるかどうかで本書の評価は違ってくると思う。自分は残念ながら馴染めなかった口。ただ小説としてはどの話もホラー以外の部分が面白かったかな。一話目の元彼との距離感とか二話目の漫画家生活とか、そして三話目のだんだん主人公が壊れていく様とか。ホラーとしては唐突で理に落ちていないというか何が起こったかわからない部分が多く戸惑ったのだが、本人の知らない間に描かれた女や住んでいる家と共に壊れていく様は面白く一気に読まさされた。

2018/06/13

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