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悲素(上) (新潮文庫)

悲素(上) (新潮文庫)

悲素(上) (新潮文庫)

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
2018-01-27
ISBN
9784101188263
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悲素(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

1998年に発生した和歌山毒カレー事件を題材とした医学捜査小説。地下鉄サリン事件と同じく衝撃的な事件。オウム真理教の麻原死刑囚達の死刑執行もあり、節目として読了。夏祭りで出されたカレー。食べた人々は急激に体調を崩し4名の方が亡くなる。九州大学医学部の沢井教授は毒物中毒鑑定の権威として捜査に協力する。浮かび上がるのは、砒素混入による無差別テロ。そして、かつて起こった砒素による保険金殺人だった。当初はとある夫婦が犯人と思われたが、夫は妻に砒素を飲まされている。二人の関係が謎を呼ぶ。実に読ませる作品である。

2018/07/14

ehirano1

内容が内容だけに生々しく毒々しいは仕方ないですが、只々恐ろしいです。しかしなぜだかページを捲る手が止まりません。事件の顛末は既に承知なのですが、表にはなかなかでない(当方が知らなかっただけ?)沢井教授と光山刑事らの働きがこんなにもあったのかと感服しています。

2020/06/14

ぶち

和歌山カレー事件をベースにしたフィクション。現役医師の著者らしく、医学的な知見で真実に迫っていく文章に、事件の経緯に引きこまれていきます。事件のあった当時は、夏祭りに集まった人に配るカレーにヒ素を混入させての無差別殺人に驚愕した覚えはありますが、カレーとは別の複数被害者をターゲットとした保険金詐欺のことはあまり覚えていません。しかし、この本を読んでいると、カレー事件そのものよりも、保険金目的で人に毒を盛る恐ろしさに戦慄してきます。人の命を金を得るための道具としか思わない犯人の異常さが本当に恐ろしいのです。

2022/04/12

naoっぴ

数年前に起きた和歌山カレー事件をもとにしたミステリー。人物名こそ仮名ですが内容は当時の捜査ドキュメンタリーを見ているかのよう。県警と九州大学医学部教授・沢井以下医療のスペシャリスト達による連携で、夏祭りに起きた謎の中毒症状をくまなく分析し、じわじわと核心に近づいていく。毒物の歴史や人体への作用などの確かな医学専門知識をもとに構築される論理にも興味がつきません。「本物の医学の知識で犯罪をあぶり出すー」…興奮でゾクゾクしながら下巻へ!

2018/03/08

rico

血液検査、心電図、レントゲン等などの「結果」を医学的に分析し、起こった事実に迫る。題材になったあの事件の捜査の記録を読んでいるよう。これ、小説だよね・・・。漠然とイメージしていた人間ドラマとは違う。でも、気が付いたら読みふけってた。あれから24年。犯人家族の悲劇を伝えるニュースを最近目にした。感想は「下」でまとめて。

2021/07/28

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