巣立ち―お鳥見女房 (新潮文庫)
巣立ち―お鳥見女房 (新潮文庫) / 感想・レビュー
mocha
長男も次男も、矢島家とは曰くのある娘を嫁に迎える。新しい家族、難しいお役目。今回は珠世の心を揺さぶる人物も現れてどきどき。季節の移ろいや折々の行事が細やかに綴られるのもこのシリーズの魅力だが、この巻では人生の大きな移り変わりが描かれている。嬉しさと淋しさとがないまぜの、目頭が熱くなる話だった。
2019/07/06
keiトモニ
中嶋賢次郎に何故か惹かれる珠世、わからんもんですね。源太夫「しかし誰にも魔がさすことはある」に、珠世は「おきゃあがれ」とは言わなかったですね。ンで“珠世は伴之助の胸に頬を埋めた。夫婦はもつれあうように…”さて、お孫さんのあるご両人も仲がいいこと…私も肖りたいものですが、解説縄田一男氏も引用しているのには驚きましたね。男は同じ…。さて、源太夫さんち、お子たちは長女里、次女秋、三女雪、他に男子2人って、女性陣は里の秋は雪模様ってことですかね。深川にいるという安吉君が気になります。全編何故だか、ふと涙します…。
2015/10/02
さなごん
二つの巣立ちがメインだけど、ううん。たくさんの巣立ちが。そして、時代も少しずつ動き始めている。
2015/09/20
はつばあば
時代物シリーズは一瞬の目も離せないほど虜にする。人の一生が辛さの中にも優しさとほっこりする笑窪に救われる。昔の大家族制度に弊害もあろうが、世帯交代というものがあった。高齢者の核家族の我が家には世帯交代など夢・・空家になるに任せるか・・。
2014/04/04
ふう
4作目がなかったのでとばしてシリーズ5作目。 経緯がわからないまま(予想はしていましたが)、久之助の養子縁組や久太郎の婚姻の場面へ。 兄弟が母を思う気持ち、珠世が子を思う気持ちに感動してか、問題が起きたときの珠世の考え方や行動に感動してか、今回もひとりでに涙が…。 シリーズを通して、娘としての父への思いをはじめ、妻として母(姑)として家族に深く細やかな愛情を持って接する姿に、女性の素晴らしさを感じました。 家族以外の関わる人々をも大切にし、相手を思いやるほど自分が豊かになるのだと感じさせてくれました。
2012/04/07
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