思い出コロッケ (新潮文庫 も 25-13)
思い出コロッケ (新潮文庫 も 25-13) / 感想・レビュー
mr.lupin
いや~昭和でした。昭和の雰囲気が良く伝わってきました。まさに昭和が舞台の大人の恋、男女の情愛、そして家族の真実、七編からなる短編集。どの作品も良かったけど、『ミートボール』『シチュー』は、特にお気に入りです。☆☆☆☆☆
2017/01/04
やれやれ
そのまま向田さんのあうんを思い出す。表題名のコロッケは抑揚のないホームドラマ仕立てで終了してしまい、残りをどうしようかなと悩んだぐらい。でも黒豆、パエリア、ミートボール・すき焼き・シチューと意外な盛り上がりで、思わずほろほろする部分も・・・ 皆さんが感じ取る昭和も、いわゆる昔の夫婦に行きついて、抑圧された奥様が現代にタイムスリップしたようなほのぼの感が満載。はじめの違和感なんのその・一気読みでした。
2018/05/25
fwhd8325
読み始め「あっ、向田さんの世界だ」と感じた私は、正しいのだろうか 。向田さんの影響を受けたものと、向田さんの世界を模倣〈失礼かもしれないが〉したものとの大きな違いを感じる。好きな世界観だけに、この微妙な違和感が、どうにも落ち着かない。無性に向田さんの作品を読みたくなりました。
2016/02/13
うーちゃん
悲喜こもごも、という言葉があるけれど、ああ人生って本当にそうだよなあと思った。平穏な生活とか 心の成長って、そうした大小様々な喜怒哀楽の積み重ねによって作られてゆくもののような気がする。向田邦子へのトリビュートとして書かれた短編集ということで、向田作品 未読の私には比べるべくもないが、純粋に楽しめたので逆に良かったのかも。向田ファンからは、シビアな意見もあるみたいなので・・。強引な上司と、タカビー(死語?)な恋人に振り回されるダメリーマンが、“たいせつなこと”に気付くまでを描いた「パエリア」が好き。
2013/07/02
kaoriction@感想は気まぐれに
「向田邦子に捧ぐ 昭和の残り香漂う作品集」という帯から昭和初期の雰囲気を思い描いていたが、「ギンギラギンにさりげなく」やクリスタル族などが流行っていた1980年代の少しバブリーな昭和だった。タイトルからもわかるように向田邦子へのオマージュ。著者は「向田作品もどき」と言うが、確かに「もどき」。向田の世界観を微かに匂わせつつ、諸田の現代作品。向田の没年1981年前後の思い出レシピ。タイトルが皆、食べ物。「黒豆」「ベリーニ」が一番、向田もどきかな。「ビーフシチュー」はレノン世代の哀愁。「コロッケ」食べたいな。
2013/01/07
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