幽霊の涙 お鳥見女房 (新潮文庫)
幽霊の涙 お鳥見女房 (新潮文庫) / 感想・レビュー
mocha
初盆を迎えての幽霊騒ぎ。皆、怖がるよりも会いたがる様子なのが、この家族の愛情深さを物語っている。そして、代々拝命してきた陰のお役目がついに長男にも。やがて起きてしまう悲劇。つらくてもまず人を思いやる珠世の本当の賢さに感じ入る。突拍子もないことをしでかす石塚家の子どもたちや、居座り続ける登美伯母さまは、面倒くさいながらも和みの存在。で、いつまで居候するのでしょう?
2019/07/20
優希
久太郎に下る密命。留守を預かる珠世と恵以が切ないですね。家族の情愛を感じます。珠代の笑窪が物語の救いです。
2022/01/25
はつばあば
いつになれば珠世は心穏やかに暮らせるのか。妻になり母になり・・子や亭主に想いを馳せるのは誰しもの事。しかし、これほど賢い、情の深い人を選んだ伴之助は果報者だ。もう遅いが爪の垢でも煎じて飲みたい。子を案ずる気持は死ぬまで続く。
2015/01/27
keiトモニ
漁師の彦三と孫娘の波矢がなんとも切ない…私も込み上げるものがございます。彦三さん、辛いでしょう。心中お察し申しあげる。しかし、貴殿を男のなかの男と見込んでお頼み申す。他ならぬ珠世様のお気持ちも汲んでやってくれないか…。さて、内藤孫左衛門“下に威張り上に媚びへつらう、付き合いにくい男”…こういう男は現在においてもどんな職場にもいますね。大した能力もないのに、役員になったり…。また桜木恭兵衛のような奴も…さして仕事もできないのに声だけは大きくパフォーマンスも外形だけ…。う~む恋愛成就してよかったですね、里殿。
2015/10/09
フキノトウ
お鳥見役の久太郎に下された影働きの密命。密命が下るのは、跡継ぎの子どもが出来てからだったのに。時勢が変わってきたのかな。
2019/10/25
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