春雷―海峡・少年篇 (新潮文庫)
春雷―海峡・少年篇 (新潮文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
著者の自伝的小説三部作の第2冊目です。著者はわたしと比較的年代が近いので彼の少年時代を書いたこの小説を読んでいると住んでいたところが違うにせよ、懐かしさを感じます。このような親子関係や教師との関係なども今とは違った感じです。この本の主人公はかなり早熟な感じでたのしそうな話が多くあります。
2016/03/16
NAO
自伝的小説海峡シリーズ第二部は、英雄の中学時代。偏見と差別、初恋。父親は相変わらず山のような存在だが、彼への信頼より反抗心の方が強くなっていく。英雄はどのような道を選ぶのか。
2022/10/11
B-Beat
★著者の自伝的小説第二弾・少年編、面白かった。どこか似ていると感じる宮本作品ほど食べ物や金銭に絡む生活感やらそこから時代背景や世情の動きが浮かび上がってくるようなところは希薄に感じたけれど主人公の人物との出会いや交流に体当たり感があって迫力があった。作家というのは、年少期から成人するまでの間に人(特に大人)と出会い交わり、語りあったり物事を教わったりそんな経験の積み重ねが、やがて血となり肉となって湧き出すようなエネルギーで書き上げるのだろうなと。果たして自分の中学生時代は?どんな?そんな思いで読み切る。
2016/01/28
キムチ
少年から男へ。おんなが気になる、性が脳裏をもやつかせる・・そんな春風のような嵐と霞が昭和のノスタルジックな周囲の風景ともに描かれる。高木一族の力強「過ぎる」ような抱え込みも良かれ悪しかれ「かつての」風景。これがいいか悪いか・・なんて今の時代と比しながら読むのも楽しかった。列車の礫事件が起きた時、弟 正雄とのチリチリ触れあうような微妙な揺れの心情風景が印象的。学友、圧することに使命感のごとき想いを持った教師、それに立ち向かう14歳、そして見え隠れする絹子の言動。丁寧な筆がゆったりと読ませてくれる。
2015/02/26
キューポップ
【第二部】少年の成長小説好きだ。かなりのpage数あるが、ずっとこの世界に浸っていたいと思える。英雄は中学生に。女の子との付き合いにドギマギしたり喧嘩もあったりと不安定な年頃。皆で会ったてふてふは印象的。風来坊で子供達に好かれ芸術の才能もある。「知らない大人と喋らないで。危ないから」の現代ではこんな出逢いはもう無いか。読んでる時の空気感が好きだ。次巻は未入手だが早く読んでしまうのも惜しまれる。昭和時代設定の少年の成長譚が好きな人にお勧め。
2022/06/28
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