鋼鉄の騎士 下巻 (新潮文庫 ふ 18-3)
鋼鉄の騎士 下巻 (新潮文庫 ふ 18-3) / 感想・レビュー
HoneyBear
ナチの台頭、スペイン内戦、ソ連の大粛清など(1930年台後半)を背景に、弱腰外交のフランスでスパイや二重スパイが暗躍。特に「鋼鉄の人」の諜報網が不気味で怖ろしい。革命理念に失望しても拉致・拷問・暗殺を免れるのはほぼ無理。こんな状況下、諜報戦に巻き込まれた日本人が命を狙われつつも自動車レースに生きる輝きを見出す。この脳天気な主人公と共にレースに命を張る面々。登場人物を思い出すのが大変で、疾走するようには読めなかったが、裏返せば各人の事情や人間味がうまく描かれていて気になるからだろう。読み応えのある冒険小説。
2014/02/28
おたま
上巻に登場した人物たちが複雑に絡まり合い、それぞれに収まるところにピタッと収まっていく。さらに様々な出来事として張られていた伏線が、見事に決着を見せていく。そうしたところが快感です。最後のポーでのレースの場面に向けて全ての物語が絞り込まれていくストーリーの流れは圧巻。最後の方で語られるセルジュ・ラタイユ(=ジョルジュ・バタイユ)の「至高性」の考えがこの物語の核心にあると感じました。
2019/02/01
ゆずこまめ
車に全く興味のない私ですが、レースのシーンには興奮しました。F1がなぜ人気なのかわかった気がする。二重スパイの心理、革命家の挫折…当時の国際社会を背景に、本の厚さに恥じないおもしろさです。大満足!
2013/03/09
akira
長かった!でも物語が進行するにしたがって長さを感じさせないスピード感と怒濤の展開でした。
2013/05/18
よっちゃん
上巻に引き続き読み終えた。盛りだくさんの内容で面白かった。戦後編、続編が有るのだろうか。ほかの作品も読みたい。
2020/02/24
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