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おぅねぇすてぃ (新潮文庫)

おぅねぇすてぃ (新潮文庫)

おぅねぇすてぃ (新潮文庫)

作家
宇江佐真理
出版社
新潮社
発売日
2010-04-24
ISBN
9784101199245
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おぅねぇすてぃ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

宇江佐真理の一途な激しい恋物語はいいですよ、感動しました。英語習得に夢を抱く青年・千吉の二つの恋、宇江佐さんのやさしさと心根の温かさが伝わってきます。函館での遊女小鶴との恋。女の純真無垢な気持ちといじらしさに胸がつまりました。そして、千吉から honesty(おぅねぇすてぃ):正直が真心と同じ意味だと教わります。千吉は小鶴のひと言で、忘れかけていた幼馴染みお順への思慕に火が付きます。女の勘の鋭さに感服です。再会したお順は、小鶴の存在を嗅ぎとります。千吉は白状しないことが honesty と判断。傑作です。

2016/03/12

ぶんこ

明治初期に英語を学んでいる若者達、その一人であった千吉と、仲間達の英語を学ぶ為の悪戦苦闘ぶりと、恋物語。 主人公の千吉、その恋人お順。 二人に中々共感が出来なくてモヤモヤしました。 二人とも最も大事な事を相手に告げないのが解せない。 言葉に出して伝えないと理解は難しい。 千吉が黙って函館に赴任した事、お順が元夫との約束だからといって、事情を手紙で告げれば済む事なのでは? モヤモヤしすぎて入り込めず、私にはイマイチでした。

2016/01/22

Shoko

明治初頭、御一新後、英語通詞を目指しながら商人として働く主人公 千吉と、彼の幼馴染で父親が通詞であったため、英語を喋ることができるようになったお順。2人はかつて想い合っていたが、お互いにそれを伝えることなく離れ離れになった。それぞれの道を歩むかに見えた2人が築地の外国人居留地で再び出会い…。明治期の時代物、めずらしいなぁと思いながら期待して読み始めたのだけれど。なんだろう、主人公の2人ともに共感できなくて、モヤモヤしてしまった…。久しぶりの宇江佐真理さんだったんだけど、江戸の時代物の方が良かったかなぁ。

2021/10/14

June

明治へと新しく移り変わる時代が舞台で活気があって面白い。学ぶ手段すらわからなかった時代に、未知なる英語を学ぼうとする千吉の意欲。男性の方から選ばれて、男性に頼りきる人生を切り捨てるお順の逞しさ。二人のその型にはまり切らない向上心と行動力が眩しい。一方、儚く散った若い命の悲劇も描かれて重みも感じる。タイトルでもある「honesty」正直、真心という言葉は、純粋に一途に千吉を想う小鶴の透き通るような心をよく象徴していると思う。この言葉は優しさだけでなく、開拓心や勇気を千吉に与えようとしている、意味が深い。

2017/02/17

ちょるる

宇江佐さん初の明治もの。御一新を舞台に雨竜千吉とお順の2人が、紆余曲折はあったものの夫婦になるまでの話。仲間と共に「英語」という時代の希望を追い掛けていく姿は良かったけど…いつもの感動はあまりなく…ただ小鶴が可哀そうだった。千吉に英語を教えた卯之吉は実在した福士成豊さんがモデルだそうだ。英語の達人は、ジョン万次郎の他にも沢山いたんですね。

2014/12/26

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