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雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え (新潮文庫)

雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え (新潮文庫)

雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え (新潮文庫)

作家
宇江佐真理
出版社
新潮社
発売日
2016-04-28
ISBN
9784101199276
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雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え (新潮文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

江戸で古着屋を営む喜十を主人公にした連作小説の2作目。江戸に生きた名もなき庶民たちの生活を、陰影深く描く宇江佐さんの筆が冴えわたっている作品。ほろ苦く、温かで、どこか懐かしい。この小説の世界にずっと浸っていたいと思わせる作品だった。喜十が養子にした捨吉もこの巻では活躍し始める。「あよ」(おはよう)「たつ」(ふたつ)などと舌足らずの言葉で話すのが、本当に可愛かった。題の「雪まろげ」は雪だるまのこと。雪だるまのようなはかないものは、自分たちの暮らしには関係がない。喜十の妻おそめはそう言う。(続きます)

2018/01/25

じいじ

江戸・浅草で古着屋を営む喜十夫婦の物語・第二段。子供に恵まれなかった夫婦に、お天道様から乳飲み子・捨吉を授かります。お陰で夫婦喧嘩も、たちどころに収まるようになりました。私は連作短篇の第一話が好きです。兄弟姉妹5人の14歳の長男坊・新太の心意気には頭が下がります。寒い毎朝、早起きしてシジミ獲りに精を出し、それを売りに歩きます…。宇江佐さんの小説には、たくさんの「愛」が埋まっています。

2023/03/14

ふじさん

古本屋喜十為事覚えシリーズ第二弾。「落ち葉踏み締める」では、捨吉の身元が明らかになると同時に、捨吉の兄貴の新太が母親を殺し、自らも大川へ身投げして死んだ悲しい事実が語られる。最後の「再びの秋」では、捨吉の兄や姉の消息が分かり、喜十や上遠野の力添えで兄姉は幸せな結末を迎える。日々の市井の人々の暮らしの些細なことに、人生が垣間見える作品。心やすらぐほのぼのとした人情捕物帳。

2021/07/30

shizuka

捨て子の捨吉を養子にしたところで終った前作。本作は捨吉の家族の話から始まる。貧乏子だくさん。母親は鬼畜。そんな母親に捨吉を捨ててこいと言われた長男・新太。せめていい人に貰われ、幸せになって欲しいと願いを込め、兄は古手屋の前に捨吉を置き去りにする。ひょんなことから兄であることがばれ、そこから歯車が狂い始める。新太の話はやるせない。新太が助からなかった分、捨吉はじめ他兄弟は幸せにしたかったのだろう。宇江佐さんの優しさが迸る。喜十が捨吉と二人だけで過ごすお話が好き。もうどこからみても親子。捨ちゃんは幸福の象徴。

2017/02/04

優希

面白かったです。日々の暮らしと人情が鮮やかに描かれていました。思わずホロリとしてしまいそうな人情ものに惹かれずにはいられませんでした。

2021/10/29

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