最後の恋 プレミアム―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
最後の恋 プレミアム―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
新潮の"yomyom"に掲載された7人の作家たちによる競作。おそらく編集部が企画し、「最後の恋」というタイトルで依頼したのだろう。いわば古典和歌における「題詠」ということになる。いずれの物語も、幾分か作り物めいた印象をぬぐえないのは「最後の」という足枷のゆえか。さて、篇中でどれを選ぶかは、読者の好みの分かれるところ。私は、胸のうずきとせつなさを採って、巻末に収められた乃南アサさんの「それは秘密の」を推す。後は、意外な拾い物感のある阿川佐和子さんの「森で待つ」、うまさが光る大島真寿美さんの「甘い記憶」か。
2014/07/17
hiro
女性作家7名(うち4名は直木賞作家)の恋愛アンソロジー第2弾。森さん、村山さん作品を目当てで購入した。 乃南さん『それは秘密の』が一番好きな作品だった。暗闇の中に閉じ込められて『秘密のアッコちゃん』のテーマソングを歌うこのようなかわいい女性に出会うと、主人公だけでなく、多くの男は自分史上最高の恋に落ちてしまいそうだ。そしてあの“馬路村”が登場するが、有川さんだけでなく、乃南さんも馬路村と関係あるのだろうか。目当だった森さんの『ヨハネスブルグのマフィア』、村山さん『TSUNAMI』も、もちろんよかった。
2012/01/12
パフちゃん@かのん変更
う~ん、なるほどそうきたか。自分史上最高の恋っていうんだからすごく期待したけれど、ちょっとどれも肩すかし。どれも個性的な作品でした。一番好きなのは乃南アサさんの『それは秘密の』です。作品としては好きだけれど、これが史上最高の恋かというとちょっと物足りない。
2015/07/05
machi☺︎︎゛
様々な形の恋愛が7編。森絵都さんと島本理生さんの話がすごく好みだった。具体的には上手く言えないけどこの人達の発想と言葉のチョイスがすごくぴったりはまるかんじ。他の作品も読みたくなった。
2019/01/31
優希
大人の極上恋愛アンソロジーでした。最後の恋が自分にとって最高の恋になることは幸せなんでしょうけど、決してそうとは言えないのが切なさを感じさせます。最後と願っても選べない恋の行方。誰にも悲しみを打ち明けられなくなるからこそ、その心、記憶を受け止められるようになるのですね。最高の恋だから苦しくて切なくて、それでも甘い。人を好きになることは辛さと幸せが交互にやってくることだから。恋を終えた先にあるものが見えるから新しい出会いに向かえるのでしょう。終わりを思い出にすることができればいいですよね。
2015/03/17
感想・レビューをもっと見る