うかれ女島 (新潮文庫)
うかれ女島 (新潮文庫) / 感想・レビュー
じいじ
この作品は、2年余前に単行本で読んだ。文庫化を機に読み返してみた。再読でも、さらに面白かった。表題の「うかれ女島」は、俗称:売春島と呼ばれて西日本のある湾岸に浮かぶ小島である。物語は、セックスを生業に生きてきた女たちの、娼婦になった後先の喜びと悲しみも丁寧に描かれている。とにかく、花房さんの小説は、話の骨組みがしっかりしているのが、私は好きだ。そのうえで花房観音ならではの性愛描写が巧く溶け込んで面白く読ませてくれます。花房ファンなら必読の一冊です。
2021/01/07
あすなろ
旦那とか友達とか親戚とか、あたしが持っているものを全て断ち切る為に。この島は橋がない孤島だ。ここは島だからいい。私達は罪を重ねてきたのか。浮かれ女島とされている売春島を描くのみならず沢山のストーリーを上手く合わせて纏めている。そして、独特の薫りを漂わせている。そうでなくては、読者として忍と瞳子の接吻シーンにここまで悶えないであろう。夜な夜な読書として読了し終えた初花房氏作品。
2021/10/17
misa*
西日本の湾岸に浮かぶ小さな島「うかれ女島」その売春島の娼婦だった母が死んだ。遺されたメモには4人の女の名前。息子の大和が母の死と女たちの秘密を追うサスペンス。ひと昔の時代は男尊女卑が当たり前って空気が漂っていて、我慢したり苦しんだりしてたのだろう。花房さんは女性でと受け入れやすい描写だからとても読みやすかった。ラストに向けて一気読み。意外な人物にたどり着いて「おお!」って感じだった。
2021/01/12
まさきち
売春島で女衒をしていた女の死と、その息子と彼女と関わった女達のイヤミスといった印象の一冊。
2024/01/11
TATA
花房さん、初読み。確かR18系の作品をいくつか描かれてる人だっけと思いつつ手に取った一冊。うわぁ、意外といっては失礼ですが、とてもしっかりと心理描写まで深く掘り込んで描かれてます。かつては浮かれ女島と言われた島に関わった男女。時を経てもその呪縛から逃れることもなく、また新たに引き寄せられていく。人物背景が少しステレオタイプかなと思う箇所もありましたが、それでも読み応えのある一冊でした。大和君、、最後のこれは作者から世の男たちへのメッセージなのですよね?
2022/01/20
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