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帰ってきたソクラテス (新潮文庫)

帰ってきたソクラテス (新潮文庫)

帰ってきたソクラテス (新潮文庫)

作家
池田晶子
出版社
新潮社
発売日
2002-03-28
ISBN
9784101206318
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帰ってきたソクラテス (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

歴史的偉人が現代を論破するする形式は楽しくもある(≒スカッとする)と同時に情けなくもなります。しかしながら、哲学ってのは現代のどういったところに作用するのかを分かり易く展開していく形式は秀逸以外の言葉が思い浮かびませんでした。特に最終項辺りの「ソクラテスの遺言①~③」は今は亡き著者が旅立つ前に銘とした「さて死んだのは誰なのか」に通じるモノを感じました。

2021/12/19

月讀命

私より2歳年上の人がもうあの世に召されてれてしまったのは悲しいことだ。池田晶子さんには、もっと多くのことを世の中に発信してほしかったと思うし、それができなかったことはとても残念だと思う。この本は偉大な哲学の祖であるソクラテスが、現代社会の難問に対し明確な答えをだしていく。ソクラテスというかなりの偏屈おやじの話すことは、「ああ言えばこう言う。こう言えばああ言う。」というかなり詭弁がすべえのようにも思えるが、現代社会を生きる上で、今日に存在する多くの難問を解決するための、素晴らしいヒントになるような気がする。

2017/08/13

harass

この著者の入門として。ソクラテスと現代の各問題の論者たちと架空対話をまとめたもの。言論界での論者が登場するがずいぶんと類型的な物言いの連中ばかりで普遍的なヤツラなのかと。正直、この本だけではこの著者を理解できない箇所がある。専門用語を使わないで哲学を語るが、「難解なこと」をさらっと言うところがある。この著者の本をいくつか平行して読んでいて、他の本の内容と照らしあわせてそういうことかとわかるところがいくつかあった。根源的な部分はどの著作も同じだ。文庫として入手しやすくこの作家のスタイルを手軽に触れられる本。

2014/11/03

テクパパザンビア

面白かったけども難しいかった。26年前の本やのに色褪せず近未来を予言したような内容でした。哲学恐るべし、考えながら難解な事柄を噛み砕く思いで読書するのは疲れたけど…考えなければ駄目らしい。

2018/06/05

たみ

ステレオタイプの評論家やフェミニストたちとソクラテスの架空対談の本。めくるめく「そもそも論」で、ソクラテスが彼らの主張をばっさり切り捨てています。彼が「ところで」と言い出すと、あっという間にひっくり返される。怖いなあ。そもそもばっかり言っててもしょうがないでしょ!ってなって、現実では成立しないかもしれませんが、恰好良けどなんとなくうさんくさい主張を聞いたときに心の中で役に立ちそうです。p237の「だからこそ人は、「ああ」と絶句の溜息をつくしかなくなるんだよ」という言葉が印象的。

2014/12/14

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