死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)
死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫) / 感想・レビュー
buchipanda3
夢野さんを読もうと思って手に取ったのは、表紙が近藤聡乃さんの絵のこちら。奇異と幻想の絵が本の中へと誘ってくる。そして中身も期待通りで存分に惑いの味を楽しめた。「死後の恋」題名の蠱惑さが印象的。不気味な高笑いから始まる語りに引き摺り込まれ、目の離せない状況の前に唐突に現れた光景に呆然。やがて題名の意味を知る。「瓶詰地獄」短いながら強烈な想念を残す作品。文と構成が効く。「あやかしの鼓」などは奇妙な独白に絡めとられ読み始めたらもう止まらない。「いなか、の、じけん」がまた変テコ。いやあ夢野な世界をもっと読みたい。
2021/10/02
優希
面白かったです。夢と現の狭間に落とされるようでした。広がるのは、怪奇、伝奇、幻想の世界。狂気と正気の微妙さの描き方は流石としか言えません。変態的性欲も久作の世界には欠かせない要素なのでしょう。
2016/12/16
扉のこちら側
2016年1078冊め。全体的に推理小説というより伝奇や怪奇、幻想小説としての色が強い。表題作の『死後の恋』と『いなか、の、じけん』がおもしろい。狂気と正気の狭間の描き方がうまい。そして変態性欲は欠かせない。
2016/12/15
yumiko
こんな魅力的な表紙、手に取らずにはいられない!没後80年に際し刊行された10編からなる夢野久作傑作選。幻想、耽美、残酷、怪奇、淫靡、狂気…著者の作品を語るとき浮かぶ様々な形容。それでも夢と現実の狭間を揺蕩うような彼の世界を、既存の言葉で説明するのは難しい。読んで、感じて、どっぷり浸る…それが唯一無二な夢野久作ワールドの楽しみ方。「死後の恋」「支那米の袋」「いなか、の、じけん」がお気に入り。「ドグラ・マグラ」が有名だけれど、初めての方は短編集がお勧め(編者解説にもそうありました)魅惑の夢野ワールドを是非♪
2017/01/22
Shoji
短編集である。私にはどの作品もやや読みづらかった。二度三度と読んで良さがわかる作家であり作品なんだろなと思った。表題作の「死後の恋」と「人の顔」が良かった。
2017/02/20
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