ザ・ロイヤルファミリー (新潮文庫 は 68-3)
ザ・ロイヤルファミリー (新潮文庫 は 68-3) / 感想・レビュー
ふじさん
第33回山本周五郎賞受賞作。馬主・山王耕造一家の波瀾に満ちた20年間を描いた長編。馬券も買わないし、競馬場に縁がいない自分には縁のない物語だと思って読み始めたが、ローヤルホープとローヤルファミリーという馬の大ファンになっていた。これは、競馬小説であると同時に家族・父子の小説でもある。ふとした縁で人材派遣会社のワンマン社長・山王耕造の秘書となった栗須栄治の目線で語られる物語は、驚きの連続だ。競馬のシーンは迫力満点だし、読んでいるとなぜか泣けてくる。作家の登場人物への強い思いが、そうさせるのかもしれない。
2023/09/05
ゴンゾウ@新潮部
親子2代に渡る馬主の物語でした。血統が重視される競走馬の世界をなぞり父から子へと受け継がれる継承のドラマにぐいぐい引き込まれました。 血統だけではなく、調教や騎手選び、レース選びまで綿密に設計され凌ぎを削る厳しい世界。山本周五郎賞受賞作に相応しい作品でした。【新潮文庫の100冊 2024】
2024/06/28
かぷち
競馬小説といえばディック・フランシスが有名で、宮本輝の優駿に島田明宏辺りが頭に浮かぶが、令和の時代にお勧めしたいのが馳星周の黄金旅程と本作ザ・ロイヤルファミリーです。早見和真は店長がバカすぎて、イノセントデイズに続き3作目、どれも作風が違いすぎて捉えどころのない作家さんという印象(良い意味で)。20年に渡る家族の、そして延々と繋がるサラブレッドの血のドラマを堪能できる山本周五郎賞受賞作です。もっと沢山の人に手に取って欲しい本。
2023/03/25
ぼっちゃん
【第33回山本周五郎賞受賞作】2022年の私のベスト本だったので文庫で再読。競走馬も血が重要視されるが、馬主家族の父と子の継承の物語。再読でもワクワクして読めて、最後競争成績だけで終わる終わり方も良かった。
2022/12/04
オーウェン
税理士のクリスが山王社長の秘書へと転職。だがこのワンマン社長は競馬に対する情熱で溢れており、次第にクリスもその魅力に傾いていく。競馬ドラマではあるが、それに関わるオーナーや騎手に調教師などの人間側が主。馬の勝利を願うのだが、それが三冠馬だったり日本の競走馬が勝てない凱旋門賞へと夢見るのは当然のステップ。 つまるところロマンというやつを競馬で描いたら、こういう形になるのだろうという例。 タイトルに冠した馬が出てくるのだが、さすがに強すぎる気もするけど、現実こういう馬がいるから感動を与えてもくれるのだろう。
2024/03/09
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