出版禁止 (新潮文庫)
出版禁止 (新潮文庫) / 感想・レビュー
zero1
【怖い】より気持ち悪い。話題の作品を読んでみた。「カミュの刺客」というルポの形式で話は展開。有名な映像作家の心中事件で生き残った女性、七緒を取材するジャーナリスト若橋。彼は事件ではないかと疑いを持つ。何度かインタビューを重ねるうちに・・・隠された事実やアナグラムなど分かるが、途中で切り替えるなど構成に工夫があってもいいのではないか。核の部分については予想できたので、それほどの衝撃はなかった。イヤミスなら湊かなえや真梨幸子のほうが楽しめる。これも流行なのだろうか?
2019/11/04
hit4papa
七年前に起きた心中事件の真相を解明せんとするジャーナリストの姿を描いた作品です。ノンフィクションの如きフィクションで、所謂フェイクドキュメンタリーと言われるもの(らしい)。ある人物から送られた衝撃的なルポルタージュが、著者によって世に出されたという体裁です。読む前からあちから評判を聞くに及び、さぞ面白かろうと勝手にハードルを上げて、がっかりするという自分にとっていけないパターンに陥った作品です。ラストはサイコミステリー?またはホラー?読み方が悪かったせいか、おっ!、さらに、おっ!とはなりませんでした。
2020/05/06
青乃108号
1人の女を巡る、二件の心中事件。一件目の男性はドキュメンタリー映像作家。心中の一部始終をビデオに遺して彼は逝った。女は生き残った。二件目の男性はルポルタージュ作家。一件目の心中の謎を解き明かさんと、女に取材を敢行し徐々に真相に近づくのだが…彼は知ってしまった。その恐るべき真実。そして彼の選んだ行動とは…その全てが作中作として収録された、その内容故に「出版禁止」とされた本作は、フィクションと言えどある意味人間の本質を突いた、考えれば考える程、闇に引き込まれ、一瞬狂気に触れた気がして恐怖する、そんな本だった。
2024/04/27
ehirano1
最初からかなり引き込まれ一気読みだったのに、最後の最後でダメだぁこんなの、となってしまいました・・・超弩級の読後悪感。
2017/11/12
ナルピーチ
脳内パニックの一冊。まずはこれはフィクション?えっ、ノンフィクション?どっちなの?読後直後の素直な感想はこんな感じ。次に思ったのはミステリー?ホラー?グロ系?いやいやまさかの恋愛系?となり、結局真相に辿り着けず、考察サイトに直行(未読の方は真似しないように!)そこでやっと、なるほど、そういう事なのか!となった次第…。自信の読解力の無さを痛切に感じるも、著者の随所に張り巡らされた仕掛けには脱帽。今迄に読んだ事のない作風で、結果、納得の面白さだった!
2021/02/07
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