傍流の記者 (新潮文庫)
傍流の記者 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ふじさん
初読みの作家。直木賞候補作品。東都新聞社会部に優秀な同期の記者6名の新聞記者としての生き方を通して、新聞記者としての貫くべき正義は使命は?、組織の維持か出世か家族か?、仲間との絆か?様々な思いに苦悩する記者の熱い姿が赤裸々に見事に描かれている。新聞記者の経験がある筆者だから書ける作品だ。一発逆転の大スクープ、社会部と政治部の熾烈な争い等、新聞界の知られざる明暗が見事に巧みな文章で綴られている。読んでいるうちに、ドキュメントドラマを見ているよ錯覚に陥った。面白かった。
2022/06/19
あすなろ
ゴツイ系の企業小説。そうした気持ちに先ずはなった。舞台である新聞社やその取材等に関してもそうなのであるが、それ以上に人間関係がゴツく描いてあるという印象を受けたのである。そして、些か読むのに僕は骨折れた。ただ、この人間関係の描写がリアルに我々社会人の心中を現しており、止められない魅力があったのである。
2021/05/30
ミスターテリ―(飛雲)
東都新聞の社会部で最高の同期といわれた6人が全員デスクに。いつもだったら現場の記者が、汗水を流してトクダネをつかむ苦労などが中心だが、今回はキャップの立場となり、部下の扱いに苦労したり他部署との軋轢があったり、リアルなデスクの仕事が描かれる。しかしスクープをつかんだら、それまでライバル同士だったのに、記事にするために全社一丸、その同期たちの一致団結する姿に感動する。まるで自分もその一員になってスクープを追いかけているような迫力で、本城作品はいつも新聞記者の強い信念、真実を追求する熱い気持ちを教えてくれる。
2023/09/02
しょーくん@本棚再編中
★★★★★★★★☆☆新聞記者出身の本城さんらしい、リアリティ感あふれる作品でした。新聞記者志望の学生に是非読んでもらいたいですね。私も20数年前に新聞記者志望で就活をしていましたが、この作品を読んで、私じゃ記者は務まらないなと、つくづく思い知らされました。
2021/02/05
a*u*a*i*n34
初めて読んだ本城さん作品であるミッドナイトジャーナルがすこぶる面白くて期待して読み、期待通りでした。元記者の書くリアリティー、スクープを抜かれる恐怖感と、第4の権力とも言われる正義感に社内派閥の魑魅魍魎が合わさって最後まで読ませます。もっと人気があっても良い作家さんの1人。
2022/05/23
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