べんけい飛脚 (新潮文庫)
べんけい飛脚 (新潮文庫) / 感想・レビュー
長くつしたのピッピ
シリーズ2巻目。今回は、加賀藩五代藩主綱紀公と,浅田屋との関わりを、11代浅田屋当主が探って本にする。知れば知るほど加賀百万石の壮大さ綱紀公の豪胆かつ情け深さに魅力される。もっともっと、加賀藩を知りたくなる。加賀藩を何よりも大切にする浅田屋の当主や飛脚達。お互いが,きちんと敬い大切にし合う、浅田屋当主と奉公人の関係も素晴らしく、読んでいて心地よい。
2023/08/25
umeko
物語の構成が面白かった。見事に「べんけい」に集約させたあの貧乏極まりない雪之丞は、その後どうなったのだろうと想像してしまった。梅鉢の紋が眩しい!
2020/06/10
アカウント停止
以前、この作者の「あかね空」を読んだときは、それほど魅力を感じませんでしたが、これは加賀藩御用飛脚の話なので手に取りました。金沢が大好きな私にとって、興味深いエピソードが満載で、とても深みのある面白い作品でした。何故「べんけい飛脚」なのか、終盤になってわかります。順序が逆になりましたが、「かんじき飛脚」も読みたいです。
2017/11/28
夜盗エメラルド
退屈ではないけど、帯の「号泣必至!」はさすがに言い過ぎかな。 どこら辺で飛脚が出てくるのかと思ったらまさかの作中作。ざっくり言えば「聡明で慈悲深くみんなに尊敬されるけど超頑固なお殿様(綱紀公)のわがままにみんなが振り回される」というお話。そんな型破りな綱紀公だったからこそ矢三八は許されたんだろう。でもどうせなら「この者の振る舞いこそ加賀の男に相応しい」ぐらい矢三八をヨイショしてあげてほしかった。職務に反したとはいえそれぐらいの漢は見せたと思う。 あと、度々出てくる焙じ茶と羊羹の組み合わせがすごく美味そう。
2018/08/18
のわさび
徳川家を支える前田家 前田家を支える浅田屋 浅田屋を支える飛脚たち それらの関係を 源義経と弁慶の関係になぞらえて創作された戯作 さて前田家に二心なしの証となるこの戯作を果たして 老中、松平定信は読むにいたったのか? 前作「かんじき飛脚」とはだいぶ趣の違う作品で 前作に登場した飛脚たちのその後が登場しないのがちょっと残念でしたが「かんじき飛脚」を読んでいたからこそおもしろさが倍増したような気もします 自作は ・・・ 焙茶飛脚? 干菓子飛脚? 手炙り飛脚? と思わせるくらい気になるアイテムです
2022/04/26
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