カズサビーチ (新潮文庫 や 54-8)
カズサビーチ (新潮文庫 や 54-8) / 感想・レビュー
Aya Murakami
新潮文庫の歴史時代小説フェア2019 江戸時代の日本人が海で漂流して外国の船に助けられて…、という話はジョン万次郎だけでなかったのですね。八丈島の噴火が史実通りの描写なのか…?その辺調べてみたくなりました。後は魚料理のおいしそうなこと。
2020/05/02
あすなろ
ペリー来航前に、ジャパンの鎖国政策に対した22人の日本人遭難者を載せたアメリカの捕鯨船。ジャパンに寄港し遭難者を降ろし、分け与えた食料・水も補給したいが…。見えて来た港はカズサビーチ。ガリバー旅行記を彷彿とさせる曳航と夜取り囲む無数の篝火。題材で選んだ久しぶりの山本一力氏作品だったが一気読みの作品であった。数多くの、そして山本氏の主流ではない⁈と捉えられそうな作品ではあるが、一読の価値はあると思うこれは時代小説でなく歴史小説。
2019/10/14
shi-
ジョンマンは未読だけど、ぜひ読んでみたいと思った。 自分たちの食糧が減ることもいとわないのに、迷わず助けた船長。そして、食糧が減っていくなでもなんとかしようとしたコンサー。助けられた方も、なんとか恩に報いようとする日本人達。言葉は通じない中、お互いを認め合う。 清々しい気持ちになれる。
2019/11/15
Y.yamabuki
船長のクーパーは船乗りの矜持として、余分に食料が必要になり、鎖国中の日本から攻撃を受ける心配もある中漁民を助け日本に送り届けようとする。他の船員達も言葉が通じず、見掛けも違う相手に手を差し伸べる。船乗り同士通じ合うものがあるのだろう。和気藹々の船上風景だ。一方日本の役人も自国民を助けて貰った恩義に報いようと、鎖国の中出来る限りのことをする。ちょっと出来過ぎだけれど、世界中の人達が皆こんな風だったならと思わずにはいられない気持ちのよい話。ただ当時油を得るためにだけ、鯨を獲っていたのには、胸がちくりとする。
2020/01/22
しばこ
ペリー来航前の実話に基づいた話、ということでけど、アンビリーバボーとかで取り上げられているのを読んでいるような面白さがあった。国は違っても、海の、船の男という同士たちの通じ合いが、冒頭で結果は分かっていても、冒険小説的なハラハラドキドキ感とともにページをめくらせた。読後は爽やかであった。
2019/10/03
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