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八月の博物館

八月の博物館

八月の博物館

作家
瀬名秀明
出版社
新潮社
発売日
2006-09-28
ISBN
9784101214337
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八月の博物館 / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

「博物館」こそ最大のキーワード。タイトルから想像する以上に深い意味をもっていて、読み進めばぐんぐん真の意味がわかってきます。少年の日の冒険と切ない感情。そして大人としての苦い追憶。しかもそれ自体が物語全体を進めていく原動力でもあるという世界。作者の趣味と言えば身も蓋もないけれど、博物学への子どもらしい素朴な好奇心があれば、自分を主人公に投影して存分に楽しめるはず。

2016/03/29

J7(読メ低浮上中)

本書は中々複雑なSF冒険小説です。少年トオル、考古学者マリエット、現在作家で大人の“わたし”の三つの視点が入れ替わりながら物語が進みます。ちょっとややこしいですがラストにその三本軸が収束し、放たれるメッセージは、この本の最大の肝。それは作者瀬名秀明さんのかつての少年時代に対する思いだったり、これから物を書き続ける自分に対するエール、この世の全ての好奇心、感動に対する謝辞でもあるように感じます。過ぎ去っていく夏を惜しみつつ、これからの未来に対して前進をしていく。そんな切なさと希望が入り混じった一冊です。

2015/08/29

紫伊

小学生の夏休みとは、ほかの年代の夏休みとは一味違って特別だと思うのです。「夏休み」という単語にわくわくが止まらないというか。少年の夏休みと古代エジプト、作者の「私」のそれぞれの目線で語られ、それぞれの物語が絡み合っていくのがとても楽しい。夏休みとSF好きです。少年の出会った未来のミュージアム、そしてミュージアムの成り立ちなどの知識もとても素敵で博物館に行きたくなります。好奇心、そしてそこから得た知識の魅せ方、なるほどなと思いました。

2018/07/12

霞草

夏の風に背中を押され、青石の古い洋館の扉を開けると主人公を待っていたのはわくわくするような冒険。少女と黒猫に導かれ、時代を越え呼ばれるように古代エジプトへ。ぐるぐると幾つもの時代を巻き込みながら、恋に友情、不思議なミュージアムや聖牛アピスと内容も盛り沢山!読後はどこか切なく、物語がそこで終わっていたとしても、きっとこの先も続いていて幸せを願ったカップル、そして希望か、はたまた予言なのかはわからないけど、またいつか出会える日が訪れますように。物語は終わらないし、動きだせば絶対未来へ続くと思うから。

2014/10/08

ぱせり

三つの異なる物語がやがて連絡し合うようになる。それは予想していた。驚いたのは、その物語の先に四つめ、五つめの物語が隠されていたこと。目がまわる。様々な物が方向のない空間に投げ出されたような感じ。やがて夏は終わる。見なれた風景は、見なれたままにそこにある。去っていく夏が名残惜しい。

2013/08/02

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