アメリカ最後の実験 (新潮文庫)
アメリカ最後の実験 (新潮文庫) / 感想・レビュー
佐島楓
舞台がアメリカじゃなかったら、これほどの説得力も、エキサイティングさも持てなかった作品だろう。終始映画的な映像がまぶたの裏で動いていた。
2018/07/30
ぷう蔵
ふむふむ面白い。なんとも言えない感じですね。皆さんの感想にあるように、どのジャンルなのか分からない感じ。音楽がバックボーンとなってはいるが、それについての後味を私はあまり感じなかった。最後は爽やかなようで、満たされたような印象もあるが、空虚でもあるようで…。人はいつも本物を追い求めているようで、実は全て偽物を追っているのかもしれない。真似ごとだったり、偽善だったり…。人は生まれてからずっと人真似で成長する。そこにオリジナリティはあるのか?自分のものとなればそれは本物なのか?自分の存在意義ってなんだ?
2018/10/04
阿部義彦
私の今イチオシの宮内裕介さんの単行本が大幅な改稿を経て文庫化です。今回はSF風味は少なめでその分音楽理論含めてかなりジャズにアプローチしています。ラストの主要参考文献だけでも気が遠くなります。宮内さんはかなりブッキッシュな作家ですね。音楽、シンセサイザー、ゲーム理論、ミステリー、マフィア、失踪、試験問題などがアメリカのグレッグ音楽学校を舞台に息もつかせずに展開します。日本にいた時間より海外で過ごした時間の方が長い著者なりの、ある意味逆説的な無国籍感がなんとも素晴らしい持ち味となっています。
2018/08/13
そふぃあ
音楽がテーマの小説ってあんまり読んだことない。宮内さんは貴志祐介さん同様、どの本でもまず文献から情報収集して物語を書くので、楽しみながらも為になるってことが多い。本書の主人公と同様、理詰め、って感じがする。理詰めのその向こう側が見たい。
2018/10/10
Fondsaule
★★★★☆ 音楽家の父を探すため、アメリカのジャズの名門グレッグ音楽院を受験した脩。 会場で「アメリカ最初の実験」と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。 かつて父と仲間が音楽によって果たそうとした夢こそが事件に深く関わっていたことがわかってくる。 ミステリーとジャズ(というより音楽理論か)の融合小説。
2022/05/11
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