メルサスの少年: 螺旋の街の物語 (新潮文庫 A 8-1 ファンタジーノベル・シリーズ)
メルサスの少年: 螺旋の街の物語 (新潮文庫 A 8-1 ファンタジーノベル・シリーズ) / 感想・レビュー
ふゆ
読書会のテーマは星雲賞でした。SFハードル高いですが、久しぶりに引っ張りだして読みました。すり鉢状の街に住む心優しい異形の女たちに愛される、そしてその愛が鬱陶しい少年の成長譚、つまり最強ボーイミーツガール。これが泣かずにおられようか。イメージはアンチノミー、「二重」螺旋です。あとがきにある作者の各方面への謝辞が好感度大。約30年前の作品なのに色褪せない世界観にひたひた浸かりました。
2019/08/10
びっぐすとん
108円本。ちょっと古い作品だからか「ザ・王道」という感じのSFファンタジー。鉱山そばの異形の女ばかりの遊郭の街。そこにいるただ一人の子供かつ少年がイェノム。彼が成長していく様とロストテクノロジーの絡んだストーリーは王道かつ美しい情景が浮かぶ作品だった。他の生物との合成など螺旋の街の構造は遺伝子を想像させる。正統過ぎて今では物足りない感もないではないが、大人も子供も楽しめる、ファンタジーって本来こういうものだよなと再認識した。
2017/08/25
ring8789
荒野に囲まれた「螺旋の街」の遊郭に生まれ育った少年の成長を描くSFファンタジー。少年は守るべき少女に出会い、導き愛してくれる大人達に囲まれ、孤独を分かち合う友も得て、ある事件を機に目覚めていく。異世界成長譚の王道である。煌びやかな文章はけして読むことを邪魔するものではなく、清水のように喉にするすると流れこむ。ふりがなが多い所をみると若い層向けに書かれたもののようで、こういう上質な正統なファンタジーはもっと長く残っていて欲しいなと思う。現在入手困難。少年に「大人の男」を教える2人の男の友情が…いい!
2014/07/06
もこ
妖しくも美しい言葉の描写。活字を読むだけで、物語の情景が浮かび上がってくる。美しい、世界です。
小林ミノリ
螺旋状の町、異形の者達が蠢く歓楽街その町の落し子として生まれた生まれるはずのない少年が、異能の少女と出会い成長していく王道の物語、濃密に構成された異世界設定、文体の美しさ、美麗なジャケ画、新潮文庫版推奨。
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