こぼれ種 (新潮文庫 あ 44-2)
こぼれ種 (新潮文庫 あ 44-2) / 感想・レビュー
あつひめ
小さな一粒の命が何百年も生きて巨木となって、人間の世界を上から眺めている。時には日陰を提供してくれて人の心を覗く。季節と自然・・・切っても切れないものを思い出と供に語る。今まで見ていなかった視点から自然に触れたくなった・・・。ハンカチの花を見てみたいなぁ。
2010/08/02
takakomama
植物のカラー写真と祖父・幸田露伴、母・幸田文との思い出などを綴ったエッセイ。植物は花を咲かせ、実を結び、樹木は人間よりも長生きで巨木になります。四季折々の季節を感じられる本。
2017/04/19
マジョラム
主に木のことが中心に書かれている。ハンカチの木はこの本で存在を知った。木って当たり前に生えているけど名前まで知ってる木となると本当に少ししか知らない。けやきの木もよく街路樹で植わっているけどどんなのがけやきの木かと尋ねられるとうすぼんやりとしていて正直わからない。この本を読んで、多少木にも興味が行くようになった。
2020/11/27
つんこ
植物の専門的な本ではなくて、ちょっと気にかけて散歩していれば興味をもつくらいの木や花、それらにまつわる個人的なエピソードが綴られている。個人的にはクサギの話や興味深かった。また小石川植物園から幸田家、幸田家から礫川公園に移植されたハンカチの木も今年はぜひ見てみたい。 自分や家族と関わりのない大仰な知識を詰め込むことよりも、身近にあって毎年誰かと一緒に見守ってひと言ふた言交わせる木や花があることの豊かさ。花が咲くたび、緑が美しくなるたび、思い出すものがある、分かち合いたい人がいるというのは幸せなこと。
2019/03/23
らすた
病院の「ご自由に」コーナーから。 落ち着いて上品そうな表紙は中も同じトーンで、気持ちよく読めました。 ふんだんに入っている写真も素敵です。 ただ、しきりに祖父や母親の話が出てくるのは、親の名をあてにしているような印象を受けてちょっと残念でした。「○○の孫(娘)」でなく著者は著者の魅力で勝負していただければ。
2023/03/18
感想・レビューをもっと見る