着物あとさき (新潮文庫)
着物あとさき (新潮文庫) / 感想・レビュー
りつか
母から借りていた一冊。着物に興味が出たと話したからか、はたまた幸田文の文章が好みだと話した流れで貸してくれたんだったか、記憶はかなり怪しいものの、読み始めたらするすると読み切ってしまった。著者は幸田露伴の孫で幸田文の娘さん。亡くなった母の着物の始末について綴られているのだけれども、着物を作るのに用いられた様々な技術の細かさ、職人さんの仕事の丁寧さにほうと息をつくばかり。麻を雪に晒すなんて知らなかった! こんなに素晴らしい技術の数々が、後継者不足で失われようとしているのは寂しい。家にある着物、もっと着よう。
2018/03/18
すう
着物を着尽くして着尽くして、やっとたどり着ける領域を垣間見れた気がします。母(幸田文)の残した着物を自分流に直し、また気持ちまでも受け継いでいく。なんて理想的な関係なのだろうか。玉さんはいろいろと謙遜して書かれているが、私などからしたら及びもつかない知識とセンス。こうなれたら素敵だなぁ。
2010/06/25
さんとのれ
親から譲られた着物がいづれは娘へと、染め直したり仕立て直したりしながら代々受け継がれていく。着物っていいなあ。
2016/05/06
てくてく
母、幸田文の残した着物を取り出してきて、自分用にあるいは自分の娘用にと加工する作業を通じて、着物を選ぶ眼や、着物を維持するための工夫、職人の技術などを紹介した本。年相応の着物を身にまとう事、次の世代に残すことは大事だろう思うものの、その維持の大変なことを思うと、どうも私は着物は好きだけれども、自分で着て楽しむ、ということはできないままに終わりそうだ。
2014/09/14
ゆうがた
1枚の着物と、ほどいたり、染め替えたりしながら長いときを経て付き合う。ツーシーズン袖を通せばせいぜいの、使い捨ての服ばかりに囲まれていることに気づかされハッとした。
2010/06/11
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