ストックホルムの密使(下) (新潮文庫)
ストックホルムの密使(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー
koba
★★★☆☆
2015/05/24
ふじさん
第二次世界大戦秘話三部作の完結編。連合国側の極秘情報を託された賭博師森四郎と元ポーランド情報将校コワルスキは、連合国占領下のドイツを通過し、対日参戦の準備を進めるソ連を横断し、遥か2万キロを日本へと駆け抜ける。残念ながら途中でコワルスキは命を落とすが。まさに怒涛の人生、スリル満点の展開。終戦前の日本の上層部の混乱を目の当たりにすることになる。どんな情報もそれをしっかり把握し、迅速かつ的確に対処する人が居なければ、何の意味もない。虚しさだけが残る。再読だが、読むたび新しい発見や感慨があり面白かった。
2024/04/15
射手座の天使あきちゃん
◆読友さんお勧め本◆ 佐々木譲さんの第二次大戦秘話三部作その3 原爆投下・ソ連参戦・そしてポツダム宣言受諾 歴史を知っている者が読んでも緊迫感はハンパないっす! しかし、小説を読み進むにつれ、無能な軍人・政治家が悲惨な戦争へと事態を悪化させたのか、それとも戦争と言う狂気が人心を狂わせ悲劇を増幅させたのか結論が出せないままで読了です でも文句なしの面白さでしたよん♪ (^_^)v
2013/04/27
ずっきん
冒険小説好きのど真ん中を撃ち抜くこの表紙を見よ。期待で胸は膨らみ、心臓は早鐘を打つ。大和田武官から託された機密情報を届けるべく、ついにストックホルムから放たれたふたりの密使、森とコワルスキ。舞台は連合国軍占領下のドイツから、スイス、モスクワ、そして東京は海軍省の山脇、憲兵隊の秋庭と目まぐるしく変わる。結末は上巻の初っぱなで明らかにされているのだが、にもかかわらず一気読み必至の面白さ。緊迫感、臨場感、どれほどのものかは推して知るべし。史実と重厚に絡み合う極上のフィクション。読まずに死ねるかの三部作。
2020/05/28
NAO
原子力爆弾が日本で使われるという情報を得たスウェーデンの大和田武官の命を受けたメッセンジャー二人の苦難の旅。最後まで、ハラハラドキドキの連続。こんな二人の命がけの旅の一方で、いつまでも戦争に固執する政府要人や軍人たちの愚かしさ。一部の人間の勝手な行動のせいで情報が活かされなかったのは腹立たしいことだが、身を結ばなかった数々の「戦争はやめるべきだ」という思いや行動が無駄だったとは思わない。そして、そういった尽力があったのだということは、もっと知られるべきだと思う。
2023/08/28
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