天下城〈下〉 (新潮文庫)
天下城〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
RIN
築城、それも土台となる石積みの職人視点での戦国時代。兵器の変化に伴い戦争の方法も変化していくのは古今東西同じではあるものの、海外からの技術輸入もほとんどなく書物による知識の習得もままならぬ時代に、豊かな想像力と俯瞰する眼と柔軟な好奇心を持てば、天才は翼を得るものだと感じ入る。武士も商人も職人も男たちが躍動した時代の熱風を感じる秀作。最近ワクワクドキドキが足りない、という方におススメ(^_^)v
2017/05/15
ケンケン
(615冊目)下巻も申し分なく面白かった! 戦闘シーンは勿論の事、安土城を築城する過程やそれに伴う人間ドラマと読みどころ満載でした。珍しい石積み職人の目線で描かれる戦国乱世、多くの歴史ファンの皆さまに読んで欲しい一冊です。 きっと城が見たくなるでしょう(*´ω`)
2020/02/06
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
戦国時代の城造りは、鉄砲の到来を機に大きく変わっていた、ということをこの作品ではじめて知った。山城のほうが堅固で攻めにくいイメージを素人目でも持つが、鉄砲が使いにくいという弱点がある。平城のほうが攻め易いイメージだが、鉄砲で守るのに適している。もちろん市郎太のような腕のある石積み職人が造っての話しだが。数奇な運命を辿った戸波市郎太は、安土城という信長時代最大の天下城を築く。上巻冒頭で安土城は炎上しているが、築城からわずか9年で安土城は廃城している。大名でも武将の話しでもなかったが、味のある良作だ。
2016/11/16
MarsAttacks!
下巻に入り、主人公の石積み技術も確立し、長篠の戦いでの重要な役割を果たした、長篠城の修築、そして安土城建築へと進みます。主人公や建築に関わった職人、そして織田信長の思いがこもった安土城が燃え落ちた時、僕もなんだかやるせない気持ちのなりました。一人の石積み職人の一生を、ドラマティックに面白く、そして諸行無常と言う言葉が、しっくりとあてはまるような物語でした。
2011/01/31
YONDA
長篠合戦を経て、安土城の普請に情熱を傾ける市郎太。しかし、本能寺で信長が倒れ、安土城が炎上すると共に市郎太の穴太衆魂も収束して行ってしまう。が、二人の息子は確実に市郎太の見果てぬ夢を追い求めてくれている。そして、千草や辰四郎と堺で過ごした短い時間は幸せだったに違いない。穴太衆を通して違う角度から見た戦国時代は面白かった。最近文庫本で発売された続編である「獅子の城塞」も是非読みたい。
2016/05/04
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