制服捜査 (新潮文庫)
制服捜査 (新潮文庫) / 感想・レビュー
サム・ミイラ
主人公の川久保巡査部長が片田舎の駐在だからか軽くみる輩。事情を知らぬ所轄の上司や刑事が登場する度、この男実は凄いんだぞ!なめてると痛い目に逢うぞ!と応援している私がいます。捜査権を持たぬ制服警官のもどかしさとやるせなさの狭間で、しかし信念を貫く警察官の矜持を鮮やかにそしてリアルに描く実に渋く魅力に溢れる佳作。短編最後を飾る仮装祭は様々な事柄に解決をみせる読み応えある傑作ですが、それ以上に第一話の逸脱は衝撃的。この禁断のラストはたぶん忘れられない。余談ながら文庫の表紙イラストも秀逸です。
2014/06/14
遥かなる想い
2007年このミス国内第2位。 駐在勤務になった川久保巡査部長が追う 小さな村での事件の短編集である。 地域密着型の警察小説だが、些細な事件の裏に 蠢く 人間関係を丹念に描く。 組織犯罪とはまた違う 現場の駐在視点での 警察小説だった。
2020/12/02
おしゃべりメガネ
8年ぶりぐらいの再読で久しぶりの佐々木譲さん作品です。やっぱりこの頃の佐々木さん作品、好きですね〜。基本的に読みやすく、テンポがいいスタイルがクセになってしまいます。ミステリーとしても、ヒューマンものとしてもとても味わい深い作風で、読書のココロをガッチリつかまえて離さない見事な展開です。5編からなる連作集でひとつひとつにおいて事件が解決する流れなので、ストレスも非常に少ないです。主人公の駐在「川久保」さんがかなりキレものでシブい存在感を出しています。大きな波やガツンとくる重量感は控えめですが、楽しめます。
2016/10/30
抹茶モナカ
著者の佐々木譲さんが好んで描く北海道警察の稲葉事件後の人事異動の弊害を根底に、北海道の群部の町に起きる事件を駐在警官の川久保が解決して行く連作短編集。意外に骨太な作品集で、読後感も良い。
2014/11/16
tengen
佐々木さんの道警シリーズ4作一気読みで満足して、制服捜査と警官の血は間置いてからにしようかと思いながら、読んだのですが、イイ!廃墟に乞うも併せて思うが、佐々木さんの短編集抜群。横山さんもそうですが、佐々木さんの短編集もすごく光ってます。今野さん、乃南さん、誉田さんの警察物は明らかに長編が秀作。しかし、佐々木さんは短編が良いかも。でも、次はノータイムで上下巻の大作、警官の血に挑む!
2013/07/19
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