カウントダウン (新潮文庫 さ 24-15)
カウントダウン (新潮文庫 さ 24-15) / 感想・レビュー
ふじさん
夕張に隣接し、その状況から双子市と称される幌岡市、そこの最年少市議である森下直樹に、市長になって破綻寸前の町を救ってほしいという動きが。二十年に渡り幌岡を支配してきた強敵な大田原市長に果敢に挑む、森下とっては厳しい戦いとなったが、幌岡市民の現在と未来の生活を守るという強い想いは、多くの市民の共感を得て、僅差で市長に当選する。財政再建団体となった夕張市出身の佐々木譲が、故郷への熱い想いを持って書いた架空の市を舞台に描いた痛快エンターテイメント。元気を貰えた1冊。
2022/05/07
mori_mori
「友本」警察物しか知らなかったので、解説で佐々木さんがこういった本を書いた理由がわかりました。これまで、自分が住んでいる市の財政状況なんて気にしたことが無かった。大きな工場が閉鎖されたり、庁舎が新しくなったりしてるけど大丈夫かな?? 来年、市長選もあるみたいだし。。。 良いタイミングでこの本に出会えました。 選挙コンサルタントがこの町の再建に拘った理由が、もう少し語られると面白いかな? それと、選挙戦がもっと熾烈だったらいいんだけど、作者の意図とは違うんでしょうね~ 新市長の今後の活躍に期待です♪
2014/07/24
RIN
近年の佐々木さんは荒涼とした警察官小説の印象があったため財政破綻目前の自治体の市長選をテーマとした本作は読み始め少し違和感があった。滑り出しは真保裕一さんっぽい軽さだったのに、次第に重苦しく・・・やはりそこは佐々木譲さんだった。聞けば佐々木氏は現実に破綻した自治体のご出身だとか。故郷をこんな風にしたやり場のない怒りが抑えようにもそこここに滲み出ている。翻って自分を顧みると自分の自治体の財政や議会運営にどれ程関心を持っていたか。他人事と思わず有権者自身が自治体を守らねば、という思いを新たに。
2014/06/08
James Hayashi
夕張市出身の著者が、再生を必要とする元炭鉱の町を舞台に、政治の在り方を問うているが、無用な投資と過疎化の進む地方の未来を見据えているようで考えさせられた。財政破綻の危機にあり、最年少市議会議員の森下直樹が現職の市長に挑むストーリーだが、夕張市をモデルにしたものであろう。過疎化の進む地方都市の運営の厳しさ、人口減少、老齢化、財源縮小など明るい未来はない。この作品の続きも読みたいが、夕張市の今後も気になる。
2016/06/19
ツバメマン★こち亀読破中
夕張市と隣接する幌岡市という地方自治体が舞台。謎の選挙コンサルタントに促され破綻寸前のこの街を救うために市長選に立候補する1年生議員と、20年に渡り市を牛耳ってきた市長、オール与党の議会との闘いが始まる…。購入してはみたものの「テーマがどうもな…」と思って中々手が出ませんでしたが、いざ読み始めるとすぐに引き込まれ一気に読み終えました。やっぱり佐々木譲でした~!しかしこんな出鱈目な地方自治体がホントにあるのかな?今度ノンフィクションで読んでみたいと思います。
2014/10/24
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