声 (新潮文庫 ゆ 8-9 命四部作 第 4幕)
声 (新潮文庫 ゆ 8-9 命四部作 第 4幕) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆☆ 本筋ではないかもしれないが、猫のクロの死の場面が一番せつなく、堪えられなかった。表題のとおり、亡き東の声が、日常のあらゆる場面で脳内に響き渡ってくる。その意味で、まさしく4部作の中でも「レクイエム」としての位置づけと感じた。ただし、柳美里の筆致は、鎮魂というよりは、死者と同化するイメージだ。東の死を受け止められず、一人になるのが怖くて、久しぶりに会った東京キッドブラザースの後輩に救いを求める場面も切実だった。
2020/03/16
kera1019
傷ついたり、泣いたり、笑ったり、見失ったり、安心したり… 色んな感情が力強い言葉となって語りかけてくる。この本を読む限りでは柳美里さんってすごく脆くて弱々しいのに、どっからこんな力強い言葉が生まれてくるんやろ。しかも一つ一つ細かく丁寧に描写されてるので、その世界は濃厚に広がって、読んでるって感覚も忘れて四部作の1300頁に自分の時間と小説の世界がごちゃごちゃになるくらいハマってました。
2013/10/14
kemonoda
「命」四部作の最終巻。これまでの三作が東由多加さんの死までを繰り返し語ってきたのに対し、本書ではその死から49日までの心境と出来事が克明に語られます。とにかく力強い本。力をもらえる本です。 柳美里という人のことが「青春五月党」の頃からずーっと気になっていたのですが、本書をよんで、ようやく「好き」になりました。へんな言い方ですけど。今年はもっと柳美里さんの本をよみたいと思います。
2013/01/12
よんしん
4部作のラスト。あれだけ愛する人がいたと言う事は幸せだと思う。
2012/05/11
seicoro
☆☆☆☆
2012/11/04
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