8月の果て〈上〉 (新潮文庫)
8月の果て〈上〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
巻頭に4世代の系図が掲げられる。その末端にいるのが柳美里である。それに続くのが美里の前に巫女たちに呼び出された祖霊たちとの会話劇。そして、美里のフル・マラソン挑戦と続き、その後にいよいよ1925年4月7日にはじまるクロニクルが展開する。本書は朝鮮民族の、そこに連なる自らの一族の、そして柳美里自身のアイデンティティを根底から問い直そうとする壮大な試みである。巻末に掲げられた膨大なといってよい参考文献群もまたそのことを証査している。上巻では日帝時代の朝鮮の人々の「心」が描かれる。柳美里畢生の大作になりそうだ。
2020/08/15
Masakazu Fujino
柳美里の曾祖父から始まる一族をモデルにした大河小説。凄まじい力作。下巻へ続く…
2023/12/21
こうちゃん
こりゃダメだ。ややこしすぎて話が入ってこない。 他に読みたい本がたくさんあるので、我慢してまで読もうとは思わない。リタイアします。
2023/01/18
kera1019
柳美里さんが自身のルーツを書いた小説ですが、日本支配下の韓国で暮らす人たちの愛情、恨み、欲、恐怖など、感情がとても生々しくて自身をさらけ出す小説以上の衝撃がありました。
2017/11/01
さんつきくん
モデルは著者の祖父・雨哲。戦前、日本統治下の朝鮮・密陽を舞台に雨哲が走る。陸上のマラソン大会でオリンピック出場を目指すランナーだ。上巻に描かれていたのは、陸上よりも命のお話し。父と妹を亡くし、妻を娶り、子供3人が産まれる。死にいく命と産まれる命の描写が交互に出てくる。一番はじめのページに家系図が載ってあるが、まぁ石田純一ばりに複雑。父は愛人との間に子供がおり、雨哲にも後妻や愛人、それらとは別に日本人女性との間にも子供が。戦国時代のお殿様みたいな、不思議な家系図でした。朝鮮人ってモテるのね。読みづらかった。
2018/02/20
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