六番目の小夜子 (新潮文庫 A 10-1 ファンタジーノベル・シリーズ)
六番目の小夜子 (新潮文庫 A 10-1 ファンタジーノベル・シリーズ) / 感想・レビュー
kishikan
恩田さんの本は既に12冊読んできたけれど、やっと恩田さんの原点「六番目の小夜子」にたどり着きました。学園ものそしてホラー、ファンタジー、ミステリや恋愛要素も交え、序盤から中盤にかけて読者をドキドキさせる展開。やはり、恩田さんはデビューの時からただ者ではなかったのですね。小夜子の謎と謎に包まれた沙世子、その謎を知りたくてどんどん頁をめくる手が速くなります。未読の方は是非!でも、雅子と由紀夫、沙世子と秋のその後は?黒川先生はどんな関係だったの、その他色々。恩田小説の結末のもやもやもこの頃からあったのですね。
2013/01/12
tomoko
本文より「世の中にはよくこういう種類の人間がいる。結局、いつも自分の話しかしていない。人としゃべっていても、とどのつまり相手を媒体として自分を反芻しているだけという人間が。」 なるほど恩田陸さんの原点を見た気がした。進学校の学校内の「熱」がとてもよくわかる。あの『自分たちが全てでそして正義である』と思いこめる時期。像と耳飾りを読んでいたので、もしかするとお父様が謎解き?と変なわくわく感も楽しかった(笑) ドラマ化もされていたとは。見てみたい。 ちなみに津村小夜子のイメージは私の中では黒決メイサでした。
2015/12/06
yoko**
日本人であれば大概の人が、当たり前に進学し過ごしていく三年間の高校生活。当人たちにはきっと何でもないただの通過地点のはず。だけど第三者には、嫉妬でちょっと意地悪したくなるくらいキラキラとしたものに見えるもんなのかな。 だけどそれは儚く弱いもののようだけど、実は、少しくらいの波風はたっても決してなんの影響もされず揺るがない確固たるものなんだよな。若いってすばらしい。
2016/01/25
lunarFarside
ファンタジーノベル・シリーズ版で再読。10代でまだ学生だった頃に読んだときに比べれば流石に衝撃は小さくなったものの、変わらぬ鮮烈な印象がある。体育館での「六番目の小夜子」の芝居シーンはやはり圧巻。当時こんな恐怖の表現方法があるのかと感激したものだが、今回もまた感激。通常の新潮文庫版と大きく違いはないのかと思うが、一点だけ気付いたものが雅子が想像する沙世子の将来の職業。獣医から政治家・実業家に変わっていたのだが何故?
2012/09/04
baboocon
恩田陸さんのデビュー作ということだが、文体とか表紙イラスト(新潮文庫の現在の版ではなくファンタジーノベル・シリーズ版)に少し時代を感じる。ホラーなのかと想像していたらそういうわけでもなく、ちょっと学園ミステリーっぽい青春小説という感じ? 小夜子の正体は一体何者…?と気になりながら読んでいたが、意外に普通のオチで期待を裏切られた。悪い作品ではないと思うけれど、自分にとっては捉えどころがなくて少し評価しづらかったかな。
2012/11/22
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