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猫と針 (新潮文庫)

猫と針 (新潮文庫)

猫と針 (新潮文庫)

作家
恩田陸
出版社
新潮社
発売日
2011-01-28
ISBN
9784101234212
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猫と針 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

クリスティーのポアロや横溝正史の金田一耕助といった正統的なフーダニット・ミステリーだと思って読むと期待を大きく裏切られますので読まない方が無難ですよとご忠告したい恩田陸さんの初戯曲挑戦作です。何となく著者は登場人物達の中から真犯人が判明してめでたしめでたしの大団円のストーリーだけではつまらないと考えておられるような気がしますね。人間の持つ不在の他人を中傷する性の嫌らしさと疑心暗鬼を描き死者悪人説から本音を隠した嘘つきがいる可能性まで複数の解釈を残す群像劇は個人の価値観の違いで大きく評価が分かれそうですね。

2018/08/15

SJW

恩田さんが飲み会で面白いミステリの劇を観たいねと相槌を打ったら書くことになってしまった演劇の台本。キャラメルボックスが実際に上演したもの。高校時代の友人が亡くなり映画研究会の友人たち5名が葬式帰りに集まった。話題は昔の不可解な事件におよびミステリーの様相を呈してくる。恩田さんのお得意の劇中劇でもある。

2019/10/04

ヴェネツィア

恩田陸の初めての劇作品。戯曲というよりは、やはり台本というべきだろう。ポスターが先に仕上がっているところからすれば、キャラメルボックスによる初演を想定しての書き下ろしか。お芝居は、3人の男と2人の女によって演じられるが、彼らは同じ高校の同窓生であり、ともに30代の後半という同質性が劇をやや平坦なものにしているし、戯曲として読む時には、誰が誰だかわかりにくいという欠点ともなる。また、エンディング近くのタカハシの独白も高校演劇を見ているようだが、キャラメルボックスのお芝居なら、これはこれでいいような気もする。

2013/05/09

はらぺこ

戯曲というものを他に読んだ事が無いので比較は出来ないがセリフが多いのでスラスラ読めた。たぶん場面転換や動きが多いストーリーならト書きが多くて読み辛いんやろなぁ。 読み物としては少し物足りなく感じたので、恩田陸色が濃い目の小説『猫と針』を書いて欲しい。 読み始めは上に書かれてる役名にも目をやってたが、途中で面倒になって役名を見ずに読んだけど大体誰が喋ってるか分かった。 もし再演などでチャンスがあるなら舞台を観てみたい。

2011/08/02

藤月はな(灯れ松明の火)

単行本でも読んだのですが文庫で格安で売られていたので購入して買いました。当時、劇を観られた人が羨ましくて仕方なかったっけ・・・。台詞のみの本を場面を意識しながら登場人物ごとに声音を変えてゆっくり、読みたくなります。恩田陸作品には隠しているが不穏でありながらもどこか共感できる心情があるがサトウの「ゲロ袋」や誰でも優しく、ある意味、たちの悪い善人であるオギワラのことを憎悪する感情が印象深かったです。

2011/03/01

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