隅の風景 (新潮文庫 お 48-11)
隅の風景 (新潮文庫 お 48-11) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
近くは日光あたりから、遠くは「カミーノ・デ・サン・チアゴ」へと出かけて行く旅のエッセイ集。恩田陸さんのエッセイは初めて読むので、知らないことばかり。例えば、彼女が大酒飲みにして、時にはグルマンであること。はたまた飛行機が怖くて(それでも果敢に海外にも行っているが)、高所恐怖症でもあること(私もそうなので、これはよくわかる)など。彼女のエッセイの特長は、どこに行っても、その地に深く共感し、自分をそこに浸してゆくことだろう。また、作家なら当然かも知れないが、好奇心もまた並大抵ではない。個性的な紀行だった。
2018/09/08
さてさて
『日本の街や道路は…人が歩くこと自体全く想定していない』という指摘が登場するこの作品は、恩田陸さんによる国内外の旅エッセイがまとめられています。点から点への車での移動前提で考えられていると恩田さんが指摘される通り、この国にはこんなにスリムな人っているのかなと思うくらいの細い歩道の線引きがあちこちにあるように思います。車道にはみ出さずには誰も歩けない。これは鋭い視点だと思いました。その他、楽しく気軽に、恩田さんの気持ちの浮き沈みまでリアルに感じられるこの作品。ちょっと自分も旅をしたくなる、そんな作品でした。
2022/08/05
SJW
恩田さんの取材旅行の紀行エッセイ。ロンドン、チェコ、郡上八幡、伊勢、日光、台湾、韓国、スペイン、阿蘇、熊本、奈良、北京上海を訪ねた時のもの。紀行エッセイを依頼された時の旅行から、興味をもって小説のヒントにするため旅行など。驚いたのは、スペインのサンティアゴへの巡礼サンティアゴ・デ・コンポステーラを巡る旅。何週間もかけて歩いたのかと思ったら、車で巡る旅。行ってみたいので、羨ましい❗
2020/04/01
kishikan
小説家の紀行文というと、村上春樹さんを思い浮かべてしまうのですが、この恩田さんの旅行記は目の付け所というか旅の勘所を嗅ぎ分ける力というか、それが優れていて、またそれを絶妙なタッチで面白く表現してくれるところがたまらない。旅先をこのように紹介してくれるんなら、旅行ガイドの編集者から相当オファーが来るんじゃないかしら、と思いつつチェコやスペイン、国内では郡上八幡など、まだ行ったことのない所に想いをはせています。もちろん、美味しいお酒と料理も添えてですが。これからも続編、続々編を書いてください。
2015/02/14
ちょろんこ*勉強のため休止中
恩田さんの瑞々しい視点で描かれた旅のエッセイ。旅にふらっと行きたくなりました。巻末の旅のブックガイドが素晴らしい。電車でiichikoのポスター見るとどっかに出かけたくなるのは私も同じです(*^^*)
2013/12/31
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