バーボン・ストリート (新潮文庫)
バーボン・ストリート (新潮文庫) / 感想・レビュー
kinkin
15のエッセイ。映画のこと、スポーツのこと、本のこと、旅行のことなど。バーボンを片手に真夜中に読むにはピッタリの本かもしれない。植草甚一の『ぼくは散歩と雑学が好き』をもじった『ぼくも散歩と雑学が好き』植草甚一の膨大な蔵書の一部があるきっかけで手に入ったことが書かれていた。沢木耕太郎といえば「深夜特急」のような放浪ルポのようなものもいいけれどこうした身の回りのことを軽くエッセイも好きだなあ。
2021/03/06
遥かなる想い
しゃれたコラム集である。肩肘はらずに、読めるのがよい。
2010/05/08
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
「バーボン」も「ストリート」も関係ないから『バーボンストリート』と名付けた……とあとがきで作者は記しているが、随所にバーボングラスを傾ける情景が登場するところに作者の真面目さとサービス精神が伺える。テレビや映画、ギャンブル、スポーツ、ハードボイルド……男が好む酒場の話題を短篇小説のように仕立てた15のエッセイ。世のオヤジたちのように自分の世界に耽溺して周りを白けさせてしまったり、ダジャレや下ネタに走ることなく、抑制した文体で描いている。ホスピタリティに満ちたプロの仕事だと思った。講談社エッセイ賞受賞。
2015/06/27
けい
平成元年が初版だから25年前の作品。スポーツ、お酒等々を含む様々な話題を含んだエッセイ集?さすがに出てくる人物名には時代を感じるが、沢木さんが書いてる文章には古さを感じませんでした。平成元年だともう大人でした(笑)ので、懐かしい話題を堪能。題名から軽くグラス片手に読む文章かなと想像していたのですが、いい意味で裏切られ、シラフできっちり引き込まれた一冊でした。
2014/06/29
greenish 🌿
ハードボイルド・映画・賭事・スポーツ…仲間と酒を酌み交わしながら紡がれた洒脱なエッセイ集 ---これはエッセイなのだろうか?まるで15編の上質な小説を読んだ気にさせられた。初版は'84年でネットもスマホも登場しないが、まったくもって古臭く感じない。バーボンウイスキーのごとく、焦がした新樽熟成特有の味わい深いコク、ライムストーンで磨かれた仕込水特有の雑味のないクリアさ。沢木耕太郎氏の風味を心ゆくまで堪能した。もし生まれ変わることが出来たなら、同性として、バーボン片手に”いいオトコ”沢木氏の話に耳を傾けたい。
2017/06/13
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